-Death On The Stairs-

So baby please kill me Oh baby don't kill me 浦和とかサッカーとかサブカルとか。

浦和レッズ歴代外国人列伝~記憶のある限り~

 外国人選手が好きだ。

決められた枠の中で獲得され、輝いたり、全然輝かなかったりする外国人選手。

日本人選手の入れ替わりがそれほど激しくないJリーグにおいて「新外国人」の4文字はいつだって胸を躍らせてくれる。

 

 .....ということで一時期TLでよく「外国人列伝」の記事をみかけました。浦和しか追いかけていない自分としては他チームの「名前は知っているけど詳細は知らない選手」のお話はホント面白くてホヘーって感じで楽しませてもらっておりましたが、いざ自チームの記事となると90年代の記載があまりなくて寂しいので、僕の記憶のある限りで書いてみます。むかーし、似たような記事を書こうと思っていたのでいける!多分....。

 

1992年~1993年(黎明期あるいは第1次暗黒期)

 

上原エドウィン

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日系ペルー人MF。

確か最初はエドウィン・ウエハラという登録名だった。途中で帰化して上原エドウィンになった。気がする。

92年~95年までと割と長くいたらしいのだけど、プレーの記憶は全くない。。

 

■マルセロ・モラレス&ビクトール・ウーゴ・フェレイラ

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何故か一まとめで語られがちなアルゼンチーノコンビ。(コンビではない)

浦和がプロ化初年度だけ何故かアルゼンチン体制だったことを思い出すためだけに機能する二人(監督は日本人だったけど)。そして序盤ズッコケのある種の要因としてしか記憶されていない二人。

二人合わせて試合出場数は7試合・ゴール数は0と攻撃の核として迎えられた外国籍選手としてお察しの成績を残し早々に日本を後にしたのだった。

フェレイラはエクアドルリーグ最優秀外国人選手だったんだ、そうなんだー(棒)。

 

■マルセーロ・トリビソンノ

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前述二人と同じくアルゼンチーノ。トリビの愛称で親しまれた。こちらは公式戦にバリバリ出場していたこともあり古参のサポーターを中心に未だに記憶に残るプレイヤー。

子供心に長髪を振り乱してひたすら前にボールを蹴っ飛ばしていた。あとすげー叫んでたくらいの記憶しかない。故に特別優秀な選手だったか、と問われると疑問も残るのだけど、前述2名の外国人があまりにも戦力にならなかったこと、加えてそのテンションの高さが浦和サポーターの暑苦しさとマッチングしていたことで、とても愛された選手だった。

2017年に久々に浦和を訪れたことが記事になっていた。元気そうでなにより(頭はツルツルになっちゃったけど)。

https://www.urawa-football.com/post/28440/

 

1993年~1994年(引き続き暗黒期)

■ウーベ・ラーン

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元西ドイツ代表。「元ブンデスリーガMVP」・「元ブンデスリーガ得点王」という素晴らしい経歴を持って浦和で攻撃の中核を担うべく加入したものの、気づいたらリベロやってた人。それ以上の印象がない。

94年から加入するブッフバルト・バインの陰でひっそりとチームを去った。

 

■ミロ

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ミロスラフ・メンテル。登録名はミロ。

現役スロバキア代表のGKとして浦和でも正GKとして期待された。チームが守備崩壊していた中で数字だけ見てしまうと可哀そうなところで、GKとしてはそこそこ悪くない選手だった記憶がある。

翌年の外国人枠の問題から土田・田北が起用される回数が増え、退団した。

 

■ミヒャエル・ルンメニゲ

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じゃない方のルンメニゲ。兄と違いMF。偉大な兄カール・ハインツと比較されてしまいがちだが、こちらもバイエルンドルトムントなどブンデスリーガのトップクラブで堂々とプレーしてきた実績十分のプレイヤーだった。

ドリブル・パス・シュートとどれも堅実ながらプレーレベルが高く、長く信頼できる外国人プレイヤーに出会っていなかった浦和サポに「あぁ助っ人ってこういう選手なんだなぁ」というのを初めて実感させてくれた選手、という印象が強い。

筆者はプライムゴールというゲームでよくルンメニゲでゴールしていた(どうでもいい情報)。

 

■ルル

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ルボミール・ルホビー。略してルル。

チェコスロバキアリーグ得点王の実績を引っ提げて加入するも加入後即ケガ。その後リハビリから復帰し16試合に出場、8ゴールの記録を収めた。らしいのだけど申し訳ないけどあんまり記憶がないぞい。

 

1994年~1996年(ドイツ期兼第一次躍進期)

ギド・ブッフバルト

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浦和レッズの歴史に名を刻むレジェンド。

シュツットガルトを中心にブンデスリーガで活躍。西ドイツ代表としては当時全盛期バリバリのマラドーナマンマークで抑えきり、母国をW杯優勝に導く原動力となったエピソードがとみに有名。代表引退後の拠点を浦和へと移すと獅子奮迅の活躍。守備がダメダメだったクラブの技術面強化だけでなく、負け犬根性が染みついていたチームを精神面でも強化し、95年からの躍進のきっかけを生んだ。その活躍っぷりからブッフバルトは浦和の心臓」と評された。

決してアジリティが高くなく、むしろモッサリしているにも関わらず抜かれない。抜かれても後ろから”ヌッ”と伸びるストライドの大きなスライディングタックルが相手からボールを容赦なく刈り取っていく。その守備力は間違いなく「ワールドクラス」で、浦和が獲得した外国人選手の中でも屈指の存在なのは間違いない。選手としては「そろそろ辞める!→辞めないで!(首脳陣)→しょうがないなぁ...じゃあ1年契約で。」みたいなのを毎年繰り返しながらも、97年中盤まで浦和でプレーし、最後は白馬に乗って退団していった。

守備だけでなく攻撃陣が不甲斐ないと感じたときはブチ切れたように攻めあがって、ミドルシュートを決めてみせ、チームを発奮するみたいなヤバさがあった。正しく闘将。(この辺は愛弟子=闘莉王に引き継がれたのだった)。

選手としては浦和で栄光を手にすることが出来なかったが、04年から浦和の監督に就任。クラブ初のリーグ優勝・天皇杯優勝といった「黄金時代」の監督としてクラブの歴史に名を残す。

例え後々ロブソン・ポンテ「監督が何か叫んでるから聞きに行ったら”ロビー!なんとかしてくれ!”って指示してたんだ(笑)」と暴露されようとも、その功績は永遠なのだ。

 

ウーベ・バイン

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浦和でウーベといえば、ラーンではなくバイン。口ひげを蓄えた細っちょいおっさんの方なのだ。

ブッフバルトと同じく元西ドイツ代表メンバーとしての実績を引っ提げて加入すると繊細なボールタッチやドリブル・芸術的なスルーパスで局面を打開。ショートカウンターを武器に戦う浦和の戦術に完璧にマッチしアシストを量産。チーム好調の要因を担った。特にエース福田正博との相性は抜群で、福田が95年に日本人初の得点王となる原動力にもなった。ただし福田以外の日本人選手へのパスは辛く、特に岡野にはドSなパスを出すことで有名だった(笑)。浦和では97年までプレー。

パサーのイメージが強いがFKも巧かった印象がある。

ドイツではフランクフルトのレジェンド、というとらえられ方をされている。


Uwe Bein in Japan (1994-1996)

 

トニーニョ

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清水からやってきたブラジレイロアタッカー。どういう経緯でウチに来たのかすっかり忘れてたけど清水側の外国人枠の問題と、浦和側のアタッカー不足が合致したうえでのレンタル移籍という形だったみたい。清水時代は攻撃的MFあるいはFWとしてプレー。飛行機ポーズ(清水のスポンサーがJALだったため)でのゴールパフォーマンスが有名だったが、浦和では自動車ポーズ(三菱自工がスポンサーのため)でパフォーマンスをしていた、という記憶しかない。浦和では26試合出場6ゴール。オジェックの方針でDFとしてもプレーした。清水の体制変更と同時にレンタルバック。

因みに実弟ソニー・アンデルソン

 

1996年~1997年(引き続き躍進期)

バジール・ボリ

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元フランス代表。「ゴール前の殺し屋」の異名を持つボールハンター。96年に浦和に加入するとギド・田口とともに鉄壁の3バックを形成。当時のボリも対人守備が凄まじく全く抜かれる感じのしない選手で97年までの短い在籍ながらとても印象深い選手。

あのタピ会長政権のオリンピック・マルセイユ在籍時、チャンピオンズリーグ決勝で決勝点を挙げたことでも有名。

しかしそんなマルセイユは「八百長疑惑」によってCL優勝の権利をはく奪されたり、自身も引退後に背任容疑で逮捕されたり、と色々プライベートでのアクシデントが多い人生を送っている。

とはいえ昨年取材を受けていたりとどうやら元気そう。良かった。

https://number.bunshun.jp/articles/-/830982

 

■ブライアン・スティーン・ニールセン

デンマーク代表MF。

ドン・ナカヤじゃないニールセン(プロレス好きにしか通じない)。

なんか半年いたらしいのだけ全くプレーの記憶がないぞ。というかこの時期にいたニールセン・バウアー・ネイハイスはまとめて記憶しておく感じのやつで個別の記憶がない。徳川将軍家の11代~13代みたいなイメージ(ひどい)。

 

1997年~1998年(第1次斜陽期)

■ミヒャエル・バウアー

ドイツハゲ=ケッペルが連れてきたオーストリア代表選手(ひどい紹介)。

彼が「私はブッフバルトを尊敬している(キリッ)」って言って入団したんだっけ?それともそれ言ったのネイハイスの方だっけ、みたいな印象。

というか2試合しか出場してないので印象もクソもない。ホームシックで即帰国。その後オーストリアやドイツなどで活躍し2009年に引退したそうな。時代によってはレジェンドに名を連ねていた可能性もあるのかもなぁ、みたいな気もするようなしないような。

 

■アルフレッド・ネイハイス

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オランダ人DF。

前述二人と一緒くたに記憶しているの申し訳なかったくらい浦和では試合に出ていた。97年後期から加入し守備陣の一角を担うもドルトムントのオファーを受けササっといなくなってしまった。プロ選手としては当然の判断なのだが、サポーターとはメンヘラ気質を持ち合わせているので、こういう愛の無いやつは嫌いな選手として記憶される傾向がある。彼もその被害者なのかもしれない(適当)。

 

■アイトール”チキ”・ベギリスタイン

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元スペイン代表MF。

ヨハン・クライフ率いるバルセロナ(通称ドリームチーム)の一員として活躍した世界的ビックネーム。レアル・ソシエダバルセロナデポルティーボでは主にウィングとして活躍したが浦和では攻撃的なMFとしてプレーした。

浦和ではキャリア晩年でのプレーだったが、フィジカル的な低下はあれど技術は衰えておらずインパクトはそれほど強くはないものの堅実にプレーした。99年に浦和で現役引退。浦和OBながら他外国人と比べると関係が希薄(一応記念日とかにはコメントくれる)。

現在はマンチェスターシティのTDとして躍動している。

世界最高の監督とも評されるペップ・グアルディオラがプライベートを含めて信頼を置く人物でもあり、ぜひシティの後はペップ共々浦和で夢を叶えてもらいたい(迫真)。

 

ゼリコ・ペトロビッチ

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現役ユーゴスラビア代表選手として97年後半加入。浦和在籍時にもイビチャ・オシム監督率いる同代表へ招集されるなどバリバリ全盛期に所属していた選手。主にセントラルMF・サイドMF(たまにサイドバックもやってたっけ?)としてプレーした。

決して”上手い”タイプの選手ではなかったが、熱いハートそのままにピッチを駆け回り、ボールを奪い取り、相手ゴールへ猛然と突っ走っていく「狂犬」のようなハッスルっぷりで当時の浦和サポーターから絶大な人気を誇った(退場も多かったが)。

プレーでも言葉でも常に全力でファイトすると同時に、浦和サポーターをリスペクトし、現役代表選手でありながらJ2にチームを落としてしまった責任を感じ、そのまま浦和でのプレーを選択するなど当時の外国人選手としてはあり得ない選択をした選手でもある。

家庭の事情もあり昇格争いの真っただ中チームを離れることとなり、号泣しながらチームを去ったことも印象的。

チームを離れたのちも浦和を深く愛し、02年03年のナビスコ決勝にも誰よりも早く駆け付けるなど「愛」を示してくれた人だった。

だからこそ、”監督”として彼を招いた浦和のフロントを俺は決して許さない。どうみても監督としての能力に疑問符があるにも関わらず「愛情」故に断らないであろう彼を招き、十分なサポートをせず、結果としてサポーターと彼との間にある「絆」を引き裂いた。絶対に許されない蛮行だ。

 

 1998年~1999年(第2次低迷期)

■ジュゼッペ・ザッペッラ

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ミラン所属(出場は0)のイタリア人DF。通称ザップ。ヒロミ・ハラ政権時の浦和で2ndステージ躍進に貢献した、ということなのだけど名前と顔の割にプレイの印象が全く思い出せない。。なんかファールが多かったような、あと意外と点取ってたような....。

 

1999年~2000年(第2次暗黒期)

■フェルナンド・ピクン

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ウルグアイ代表DF。面白い名前(ひどい)。

J2降格間際に加入し、浦和では33試合に出場。全然印象はない。多分それほど悪い選手ではなかったはずなんだけど降格時~J2時代の選手なので印象が薄いのだろうか。。

因みにサカつくではそれなりに使えた印象(どうでも良い)。

 

アンジェイ・クビツァ

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キター!クビツァだああああ!!

ポーランド国籍ながらイスラエルリーグ得点王」、という絶妙な実績を持って浦和に加入した電柱FW。Youtubeなどまだ無い時代。プレー動画などをサラっと見ることもできず、こういった「ロマン枠」がまだまだたくさんあったのだ。懐かしい。

大学No1FW()盛田と共に「大艦巨砲主義」へと舵を切った浦和の貴重なポストワーカーとして期待されたものの、一番期待されたポストがヘロヘロで使い物にならず。34試合11得点と数字だけ見ればギリ合格点といえなくもない成績を上げたものの、踏ん張れないポスト、ごっつぁんゴール多めで決定的なプレーが少ないなど、総合的なプレー内容の良くなさも相まって「ダメ外国人」という印象が強い。

また「長身なのにポストワークがおもちゃ」なFWをクビツァに倣って〇〇ツァと呼ぶようになった語源でもある。(盛田→モリツァ・梅田→ウメツァ)

 

アジエル

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オランダへ移籍したゼリコ・ペトロビッチに代わり浦和に加入したブラジレイロアタッカー。ポジションは攻撃的MF。浦和では10試合のみの出場だったが、息切れしはじめたJ2後半戦で追い上げに多いに貢献した選手として浦和サポーターの印象が良い。

スピード感溢れるドリブルを軸にセンス抜群な選手で浦和としても契約延長を望んだものの、所属元クラブの都合でブラジルに戻ったような記憶がある。

数年後湘南でプレイすることになった際「あのアジエル!?」と驚いたのは割と古参のレッズサポなのであった。

 

2001年~2002年(模索期)

■ドニゼッチ

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J2リーグをギリギリ2位でフィニッシュし、なんとか昇格。

二度とこのような惨状を迎えるわけにはいかない。そんな強い決意の元「新時代の浦和」の象徴として獲得された選手。それがドニゼッチ。

......いや、みんな記憶に無いと思うけどさ。

セレソンとして7試合の出場歴を持つベテランボランチだったが、負傷に泣き思うような活躍が出来なかった。もちろん一年で帰国。そんなわけで「新時代の浦和」が来るのももう少し先延ばしになったのであった。

 

アドリアーノ

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J2リーグをギリギリ(以下略)

攻撃の中核を担ってもらうべく10番を与えられたブラジレイロアタッカー。

「元ワールドユースMVP」「ブラジル国内での有望株」というこれまた絶妙な経歴を持って加入し、予想通り22試合出場6得点、という微妙な成績を残して1年で去っていった。

エピソードとしてはゴールで喜びすぎて看板を飛び越えたせいで2枚目のイエローカード食らって退場した印象しかない。

 

■トゥット

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JFL時代の川崎で大爆発し、FC東京へレンタル移籍。FC東京でもアマラオとのコンビで猛威を振るった金髪のドリブルキング。川崎からの高額な移籍金要求にこたえられなかったFC東京から半ば強奪する形で浦和に完全移籍。

ケガの影響などもあり数字面では同2チーム所属時ほどの爆発を見せられなかったが、エメルソン・永井と組んだ「TENトップ」で期間限定とはいえ破滅的な攻撃を構成(守備も壊滅して志半ばで解体されたのだけど)。02年以降のチーム躍進の礎を築いた。

ミッキーマウスマーチ」を使用した誰でも覚えられるポップなチャントで子供にも人気があった。

 

■アリソン

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2001年10月~2002年8月まで浦和でプレイ。

典型的な10番タイプの選手で技術はあるけど守備はそれなり。スピードもそれほどなく、ノッソリしたプレーをしていたような印象がある。案の定オフトの下では構想外となって神戸に移籍した。故になんか神戸のシマシマユニを着ていた印象が強い。あとその後ガンバにいたの!?マジで!?

 

■エメルソン

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出た、パッソスさん

快速をかっ飛ばし、高速且つテクニカルなドリブルで敵陣を引き裂く。シュート精度はそれほどでも、シュート威力が凄まじく、分かっていても止められない完全なる個人兵器。それがエメルソン。

間違いなく浦和の歴史に名を刻むレジェンドでありながら、同時に歴史に名を刻む問題児でもある。

サンパウロユースの問題児として鳴らしていたところを岡田監督が札幌に呼び寄せJリーグ入り。(初めて見る雪のせいでホームシックをこじらせ泣いたりしながらも)34試合出場31得点という異次元のプレーでJ2を席巻。札幌のJ1昇格に貢献すると、翌年は恩師ピッタのいるフロンターレに移籍(当時J2)。ここでも18試合出場17得点と能力を余すことなく発揮していたが、同年7月に監督と同時に浦和へと移籍する(!?)。

浦和でも問題児っぷりは変わらずだったがオフト監督・ギド監督のもとで徐々に守備などもするようになり(笑)03年にはJリーグ最優秀選手。04年には30試合出場27得点Jリーグ得点王になる。また03年のナビスコカップ制覇はクラブにとっても悲願の初タイトルともなった。

昨年浦和を引退した平川忠亮は今年のNumberの取材で、クラブ歴代最高の外国人は「エメルソン」だと断言していた(ポンテが2位、ワシントンが3位)。練習は全く本気でやらないけれど、本番時にはバッチリ活躍して点を取る。ただでさえスピードが速いにも関わらず、トップスピードにおいてもミスをすることがほとんどない。世界レベルでも稀有な才能の選手だと評していた。

03年からレギュラー化した田中達也とのコンビ「エメタツ」は脅威であると同時にとても見ごたえがあり、ホームスタジアムを埼玉スタジアムに移し、客層拡大を目指していた浦和にとって人気爆発へとつながるきっかけともなった(当時の子供たちはみんなエメタツコンビの虜であった)。

05年以降「日本人になりたい」「お別れなんて出来ないよ」などと語り浦和サポからも愛でられていたにも関わらずあっさりカタール移籍

不振に喘いでいた05年前期、ほとんどのサポーターにとっての希望でもあったエメルソンが、笑顔で白衣のアラブ人と握手している写真がレッズ本スレにアップされたときには、筆者は大学の講義中であったにも関わらず脱力して椅子から崩れ落ちた

その後年齢詐称および経歴詐称が明らかになって同じ年だったはずの田中達也よりも「年上」だったことが明らかになったり、その一件のせいでCWCでの来日が危ぶまれたり(結果来日出来た)もしたけれど、2018年までプレー続行。なんだかんだあったけど嫌いになれない選手。

チャントはYMCA。

 

2002年~2003年(信楽焼期)

 

ネディエリコ・ゼリッチ

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オーストラリア国籍。通称はネッド。ドイツ・イングランド・フランスなどでプレー後京都に加入するも家庭の事情により退団。浦和には02年加入も即負傷し、その年の公式戦出場は1試合にとどまった。ケガが癒えた03年にはリベロのレギュラーとして活躍。室井・坪井・ニキフォロフなどと鉄壁の守備ラインを構築し、ナビスコカップ制覇にも貢献した。

エストロとも呼ばれ、後方から見事なロングパスでゲームをコントロールする優雅な選手で一部で人気もあった。

ケガに泣いた選手という印象が強いものの、エレガントにボールを裁く姿はとても魅力的で「これが本職のリベロか...」と有識者を唸らせた。

因みに足は遅く、その裏を坪井が全速力でカバーするのもよく見る光景だった。

 

2003年~2004年(ヤンセン日期)

 

www11.atwiki.jp

エジムンド

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世界的ビッグネームの元セレソン。だが浦和では黒歴史オブ黒歴史

当時世界トップリーグだったセリエA、その強豪クラブだったフィオレンティーナでレギュラーとして活躍。素行不良などもあり主戦場をJリーグ東京ヴェルディに移すと、そこで異次元のプレーを披露し、J2降格待ったなしのチームを残留へと導く。オールスターゲームでは浦和所属のエメルソンと夢のコンビを組み、ここでも凄まじいコンビプレーを披露。本格的な共演が望まれる中での浦和加入に当時の期待感はマックスだった。

03年カップ戦で浦和デビュー。コンディション調整中ながらも悪くないプレーを見せていたものの、ハンス・オフト監督と(主に練習に関する)意見が対立し、ブラジルへ帰国。そのまま帰ってこなかった。結局浦和での出場はカップ戦の2試合のみとなった。

浦和の失敗補強といえば真っ先に名前の挙がるエジムンド。浦和はこの年の主力として考えていたエジムンドを失ったことで03年序盤非常に苦労することになるわけだが、結果的に山瀬やルーキーだった長谷部がプレー機会を得て成長し、04年以降の躍進へとつながっていくことにもなる。災い転じてなんとやら、と言えなくもない。

 

ユーリ・ニキフォロフ

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02年日韓W杯にも出場した元ロシア代表DF。

03年後半、室井のケガが原因となって加入したまさしく「助っ人」。

スピードはないものの経験に裏打ちされた確かな対人守備でナビスコカップ制覇にも大きく貢献した。確かナビスコカップの予選で、ファウルになると分かっていながら決定的得点機会を阻止。レッドカードを食らい、それに関してなんの感情も示さずに退場していく姿を見たときに「これがプロか」と戦慄したものだ。この年ナビスコカップを制覇しプロ化後初タイトルを手にしたわけだが、ニキフォロフの貢献は非常に大きかったと思う。翌年膝の故障などもあり退団。

 

2004年~2005年(イケイケ期)

 

アルパイ・オザラン

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ニキフォロフと入れ違う形で加入したトルコ代表DF。

激しくも固い守備で闘莉王・坪井(ネネ)と強固なDFを構築し、04年の2ndステージ制覇に大きく貢献した。暑苦しく戦う姿勢を見せる戦士で、そういうキャラが大好きな浦和サポーターから強烈な支持を受けた(筆者もアルパイのユニフォームを所持している)。半面その激しさ故に審判から「要注意人物」という評価も受けており、それにより04年以降は「それがファール?」みたいな判定を受けることも多く、ストレスを溜めていった印象もある。とはいえ、浦和退団後にもアッチコッチで問題を起こしていたようなので、もはやこれは本人の性質に問題(以下略)。

 

 ■ネネ

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本名はファビオ・カミーリョ・デ・ブリート。通称がネネ。ネネってなんだっけ、確か「赤ちゃん」みたいな意味だったような気がする。

坪井の負傷によって緊急的に補強されたブラジレイロDF。加入前は「坪井と同等の快速」などの情報があったものの、ふたを開けてみるとそんなに速くなかった。(とはいえ坪井のように初速から早いわけではないだけで、最終的には何故か相手に追いついているみたいなこともママあった)

屈強というわけではなかったが、ヌルっと奪い取る術に長けたストッパーで、攻撃参加も得意としていた。ハイボール処理も得意で、なんだかんだハイレベルの助っ人だったと思う。05年以降は負傷に悩まされることが多かったが、なぜか大事な場面ではピッチにいてなんだかんだと07年までクラブに残留した息の長い外国人選手。浦和黄金時代というとワシントン・ポンテ・ネネの3人の外国籍選手で記憶している人が多いはずだ。

セットプレー時たまに股間でボールを押し込んでゴールを決めるので「チ〇コゴール」という不名誉な愛称で呼ばれたりもしていた。

 

2005年~2007年(黄金期)

■サントス

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関東第一高を卒業して浦和に加入したブラジレイロDFという変わり種。浦和サポ的には当時在籍していた三都主アレサンドロとの比較もあって「サントス君」みたいに呼んでいた。

浦和では公式戦に出場せず06年にクルゼイロに加入。その後U-20ブラジル代表に選ばれるなど活躍。一時期はポルトガルの名門ポルトFCにも在籍した。

現在は福島ユナイテッドに在籍してるんだって。へー!

 

トミスラフ・マリッチ

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ちょんまげヘアーが特徴のクロアチア国籍FW(ドイツ生まれ)。登録名はマリッチだが、浦和サポにはトミーの愛称で親しまれた(チャントはマーリッチだったが)。

とにかく頑丈な体とそれなりの技術を持ち、ペナルティエリア内で勝負する典型的なボックスストライカー。頑丈とはいえ鼻骨骨折したにも関わらず即日バットマンマスクを付けて普通に試合に出てヘディングまでして「痛いけどまぁ大丈夫」とか言ってた時は「こいつやべぇ」と思った。

当初エメルソン退団後のエースFWとして犬飼社長(当時)が目をつけていたのはエストゥディアンデスに所属していたアルゼンチン人FWのマリアーノ・パボーネだったが、ギド監督の熱意によってヴォルフスブルクに所属していたマリッチを獲得することになった。リーグ戦ではなかなか点を取れない日々が続き、同時期に入団したポンテと比べると「失敗補強」という見方もされていたが、常に手を抜かず、守備もポストワークも寡黙にこなしていく姿が見た目も相まって「侍」と呼ばれ、一部サポーターから支持されていた。

とはいえ得点自体も少なく退団が既定路線となっていた中、年末の天皇杯で爆発。決勝戦を含む全試合でゴールを決め、浦和の25年ぶりの天皇杯制覇へ貢献。

試合終了後浦和サポーターは退団するマリッチを惜しんで試合終了後20分以上「マーリッチ!マーリッチ!」のコールを繰り返し続けた。(筆者も寒さにめげながら鼻水をすすりながらマリッチの名前を叫んだ)

マリッチもそれに答えて試合終了後ゴール裏に合流。涙ながらに声援にこたえた。05年を代表する感動的なセレブレーションだった。

マリッチはその後当時ドイツ3部に所属していたホッフェンハイムに移籍。チームを2部昇格に導く活躍を見せ現在は指導者の道を歩んでいる。


マリッチゴール集

 

 ■セルヒオ・エスクデロ

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FWや攻撃的MFとしてプレー。後に日本国籍を取得しエスクデロ競飛王に。

父のセルヒオ・叔父のオスバルドも日本リーグ時代に浦和(というか三菱)でプレーした浦和一家。いとこのダミアンはリーガエスパニョーラなどでもプレイした。またマンチェスターシティのセルヒオ・アグエロとは家族同士で付き合いがあるなど、顔が広い。

原口元気が登場する以前、浦和ユースの最高傑作・天才といえばこのセルヒオのことだった(それ以前は千島)。ユース時代から「セルヒオっていうやばいやつがいる」という噂はあり、期待に応える形で05年16歳にしてチーム登録。18歳でJリーグデビューを飾った。2006年に初ゴールを決め、2010年あたりには主力に定着。屈強なフィジカルと高い技術力・ゴリゴリしたドリブルで狭いエリアでも局面打開を試みる実に「浦和~」な選手。

ただし決定力と戦術理解力がイマイチでミシャ監督の信頼を得られず、2012年に韓国ソウルFCへ移籍。フィジカルがものを言うKリーグの中では縦横無尽に暴れまわり、主力としてチームをACL決勝に導いた。現在は京都に所属しているが、Kリーグの蔚山現代FCにレンタル移籍中。

いかつい見てくれと違ってとても可愛いキャラクターで浦和サポーターに愛されたが、太りすぎてしまうフィジカル面での課題はついぞ解決できず、結果的にケガの多いプロ生活を余儀なくされている。マックが大好物で同じくマック好きを公言していたエジミウソンと一緒に店舗に駆け込むクソコラが作られていた時代が懐かしい。

 

ロブソン・ポンテ

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来ました

プレー面・人格面全てが優れていた聖人。主にMF(トップ下)としてプレー。

浦和の外国人選手といえばこの人、という方も多いのでは。

ロブソン・ポンテ。愛称はロビー。イタリア系ブラジル人だがキャリアの多くをヨーロッパで過ごす。レバークーゼン加入後レンタル加入したヴォルフスブルクで名前を上げレンタルバック。ベルバトフフランサ(後に柏レイソルで活躍)と協力なスカッドを形成し、04年のCLではロナウドジダンフィーゴロベルト・カルロスなどを擁し当時「銀河系軍団」と呼ばれたレアル・マドリード3-0で勝利するなど欧州の最前線で活躍した。そんな全盛期の真っただ中レバークーゼンとの契約問題でゴタゴタしていたところをギド監督が直接口説き、まさかの浦和加入。(浦和はすんでの所で藤田俊哉を逃しその後トップ下の即戦力を探し続けていた)

当時普通にヨーロッパサッカーを追いかけていたので、ポンテ加入というニュースはあまりに衝撃的で友人と一緒に歓喜の声を上げたのを今でも覚えている(でも筆者はフランサが大好きだったのだけど)。当時28歳と脂の乗りまくった時期の欧州トップレベルのプレイヤーが日本にやってきた、という事例はポンテ以降あまり見た記憶がない。

デビュー戦となったFC東京戦ではゴールだけでなくアシストも記録。一夜でレッズサポーターを魅了してみせた。

そこからの経歴に関して、今更説明する必要はないだろう。圧倒的なスキル、献身性、そしてチームとサポーターを鼓舞する熱いハート。全てが「浦和レッズ」というチームそのものに合致し、ロビーは浦和の絶対的なアイドルになった。

ギドの項で触れた「ロビー、なんとかしてくれ!」は06年最終節での言葉。勝てば文句なしに優勝、という場面で相手チームのエース=マグノ・アウヴェスに先制点を献上してしまったギドがロビーに嘆願したのだ。

そしてロビーはそれに応えた。すぐさまシジクレイを1フェイクで抜き去り同点弾をゲット。試合を振り出しに戻した。

https://sports.yahoo.co.jp/video/player/18952

 この同点ゴールで息を吹き返した浦和はガンバに完勝。リーグ初制覇を達成した。翌年のACL優勝以降はケガに苦しめられる選手生活だったが、紆余曲折を経ながらも2010年まで浦和で活躍。今はポルトガルリーグ・ポルティモエンセのTDとして活動している。(そして浦和にマウリシオやファブリシオといった優良外国人を派遣してくれている!)

浦和サポーターはロビーに決して足を向けて眠れないのだ。

 

■ワシントン

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被弾!ひだ~ん!!

浦和黄金時代といえばポンテ・ネネそしてセルケイラ艦長

190㎝88㎏の巨躯でボックス内のあらゆるDFを封じ込め、巨体に似合わぬテクニカルなドリブルで数々のゴールを記録した浦和史上屈指のスーパーエース。それがワシントンである。

心臓疾患を克服しプロサッカー選手として復帰した過去を持つことから、ゴール後には左胸を叩くパフォーマンスを見せるこのFWが初来日を果たしたのは東京ヴェルディ。当時アトレチコパラナエンセで34得点を挙げ、セレソン復帰すら噂されていた選手の日本移籍は衝撃的だったが、日本でのパフォーマンスは更に衝撃的だった。日本のDFを子ども扱いし、パワーだけでなくテクニックでも翻弄。ヴェルディでも33試合出場22得点と実力を遺憾なく発揮するも、チームは降格。強力なストライカーを欲していた浦和へと移籍した。

浦和でのプレーも衰え知らず。特に当時日本代表でブイブイ言わせていたマリノスのCBコンビ(松田&中澤)をドリブルでチンチンにしてゴールを決めたのは衝撃的だった。

とはいえペナルティエリア外での貢献は今一つで、件のNumberの取材に対して平川は「下がってボールに触ろうとするんだけど、そこでは驚くほど下手でミスするので”頼む下がってくるな!”と思っていた」と告白している。

フィジカルとテクニックを共有することで敵の脅威となり続けた選手だったが07年にはケガも増えコンディションが万全では無いことも増えた。そんな中でオジェック監督との不和もあり、07年末ACL制覇・CWC3位を置き土産に浦和を退団。その後は古巣フルミネンセサンパウロなどで変わらない活躍を見せた。

引退後には実業家・政治家として活動しているが山田の引退試合には駆け付けて往年のファンを魅了した。


2006年J1リーグ得点王ワシントンが現役時代を振り返る。:THE LEGEND SPECIAL INTERVIEW ワシントン 編

 

2008年~2009年(暗黒ゲルト期)

エジミウソン

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エジミウソンドス・サントス・シウバ。新潟からやってきた万能FW。

新潟では138試合出場76得点でエースとしての地位を築いていたが08年浦和に移籍。”ワシントンシンドローム”抜けきらない空気の中で「ブラジル人助っ人FW」として背負うプレッシャーは相当大きく、当初はチーム順応に戸惑ったものの、その後は順調にチームに馴染み、在籍期間中は毎年2桁得点をマーク、としっかりと期待に応えて見せた。にも拘わらず不当に評価が低い選手。

ワシントンのようなボックスストライカーではなく、前線からのチェイジングやポストワークなど「不慣れ」と思われる仕事もチームのためであればしっかりこなす「汗かきタイプ」のFWであり、チーム自体のコンセプトがフワフワしていた(及び過渡期だった)2008-2011という在籍時期にも関わらず毎年2桁得点をマークし続けた事実は、今振り返ればやはり偉大だと思う。

特に09年以降のチーム全体の若返り(というか財政圧迫)路線の中周囲のサポートが極めて少ない状況でも自らのエゴを殺して働く姿は涙なしには見られず、その苦労を見て見ぬふりをしてヤジを飛ばす連中とどれだけ戦ったか。。当時の記憶がよみがえる。

2011年、待望の9番を背負うものの、「チーム事情」によって中東に売られる、という最悪の別れ方をした。今でも申し訳ない気持ちになる。

2012年にはFC東京・2015年にはセレッソ大阪でプレイするも、当時の面影はなかった。

 

2009年~2011年(フィンケ爺と土台期)

 

■ファイサル

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ファイサル・モハメド。ポジションはFW。

09年フィンケ爺が連れてきたガーナの秘密兵器フィンケ爺がアフリカに造詣が深い影響で日本へとやってきた。どんだけ秘密兵器かというと朝大原にいくと知らないアフリカ人が飯食ってた、ってくらい秘密兵器。

「なんか凄い速いらしい」みたいな噂がありながらも終始そのベールは包まれたまま、フィンケ爺の退団と同時期にガーナへと帰っていった。練習を見た方は細すぎて当たり負けしまくっていたとか。まだサッカーやっているのか、まったく不明。明らかに体細かったもんなぁ。。

 

マシュー・スピラノビッチ

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2010年にやってきたオーストラリア代表DF。

浦和のアジア・オセアニア枠獲得選手第1号でありスポーツ新聞の飛ばしもなんにもなく急にオフィシャルHPに移籍報告が乗った第1号でもある。

ドイツ・ブンデスリーガニュルンベルグに所属しながらも細かい故障が多く定位置を奪いきれない現状などもあり「しっかりとした出場機会を得られるクラブ」として浦和でのプレーを選択。加入当初も細かい故障が多かったもののシーズン中盤以降は定位置を確保。高さを生かしたハイボール処理。読みの判断も良く、スピードもそこそこと高いレベルでまとまったDFだったが、足元の技術は悪くないんだけどもう少しという感じ。ケガが多かったこともあり完璧なレギュラーとして過ごした時期は少なく、2012年のミシャ政権下でも足元の技術や攻撃参加能力において監督の信頼を得られず、同年カタールへと移籍していった。

チームの方針展開の中で才能を持て余した選手の一人、という印象。

 

ウィルフリード・サヌ

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「オ!サヌー!!」(チャント)

フィンケ爺の愛弟子としてケルンからやってきたブルキナファソ人FW。

本職はFWだが、浦和では主に両サイドバック、両サイドハーフとしてプレイした。165cmと小柄ながらも身体能力が高く、アジリティとタフネスを兼ね備えたプレイヤーだった。豆タンクみたいな見た目通り、なんだかよくわからないけど頑丈。サイズに似合わぬパワーシュートなどアフリカ選手独自の個性を見せつけ、なんだかんだと人気はあった。とはいえ慣れない左サイドバックでのプレーがメインとなり守備においては苦労する場面も多く、宇賀神の台頭に伴って徐々に活躍の場面が減少。FWとして出場した試合でも特段インパクトを残せず、2010年シーズン限りで退団となった。

2012年には京都サンガでもプレー。変わらぬ豪快なゴールパフォーマンスを見せていた。

 2011年~2012年(極悪暗黒期)

マルシオ・リシャルデス

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2011年新潟からやってきたゲームメーカー。

主に攻撃的MF・1.5列目のアタッカーとしてプレイした。

新潟在籍時はJリーグ屈指の外国人プレイヤーとしてチームに君臨。特に2010年には自己最多となる16得点、うち7得点はフリーキックでと目に見える大活躍。浦和にもロブソン・ポンテの後継者として大きな期待を背負って加入したものの2011年は大ブレーキ。フィジカルを重視し、中盤をかっ飛ばしたウィンガー勝負サッカーを志向するゼリコ・ペトロビッチ監督の方針とは全く合致せず、適正ポジションを見出すのに苦労(マジでなんでこの年の目玉補強が彼だったんだ!?)。また本人のコンディションも整わずという中でシーズン3得点2アシストというトホホな結果に。

しかし2012年からのミシャ政権下で1.5列目でレギュラーポジションを確保。持前の技術を生かしたワンタッチの崩し、新加入のポポとのコンビネーションも良好で、浦和加入後最高のパフォーマンスを発揮。チーム3位躍進に貢献した。ただし好事魔多し。2013年以降には負傷も多くなり、2014年には手術。最終的にトップフォームを取り戻せずに2014シーズンをラストに退団した。

「浦和は新潟の主力を奪っては腐らせる」との格言はこのマルシオの状況を持って立証されてしまった感もある。

 

ランコ・デスポトビッチ

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中東に売り払ったエジミウソンの代わりにやってきた元セルビア代表FW。

「スペイン二部ジローナで30試合出場18得点」という久々に色んな意味で胸躍る絶妙な経歴を持って加入した。マジメで、良い人。なのは分かるんだけどフットボールプレイヤーとしては色々足りない選手だった。CFとしては頑丈さに欠け、STとしては器用さに欠け、なんつーか痒い所に絶妙に手が届かない。いや、良い人なんだけどね!

2011年はそんなこんなでリーグ無得点。2012年もチョロチョロと使われつつリーグ戦1得点とFWとしてはてんで期待外れに終わった。

2011年のナビスコ杯でカップ得点王(5試合4得点)となったのが唯一の殊勲(優勝できればマリッチになれたかもしれぬ)。

2013年は負傷の影響もあり出場なく6月に契約満了で退団。セレモニーをしたはずなんだけど、何故だ記憶がない.....。(スマン)

 

マゾーラ

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柱谷兄が見つけてきたブラジレイロFW。

2011年という近代に現れた浦和の「面白ビックリロマン枠」。

サンパウロの秘宝」「エメルソンを思わせる強烈なドリブルスキルとスピードそして突破力」など「ロマン」を掻き立てる単語の数々で浦和サポーターの期待をあおりにあおり、そして壮大に裏切ったトホホマン。2011年という”暗黒年”と同時に思い出される象徴的な選手。

確かに巧い。巧いんだけど、周囲と共存しようという意思がまるでない。また「ポジショニング」という概念もすっぽ抜けており、所在なくピッチを漂いながら、ボールを持たない場面ではほとんどゲームに関与しないという、マラドーナもビックリな王様っぷり。

それでいてボールを持った時の爆発力も「偶発的」。凄いときは凄いドリブルとか凄まじいパワーシュートを決めるのだけど、それが二度はない。流行りの言葉でいえば「再現性」がまるでないサイコロみたいなギャンブルプレイヤーだった。

原口・マゾーラという「得点力と突破力を兼ね備えたウィング」を軸にオランダ式サッカーを再現しようと試みたゼリコ浦和は、マゾーラが「使い物にならない」ことであっという間に瓦解(そもそも再現に必要な長身FWもいなかったんだけどね)。チームはあれよあれよと残留争いの真っただ中へと転がり落ちていったのであった。あぁ悲しい。

浦和では公式戦26試合出場4得点というなんともはやな結果を残し翌年レンタル元へと帰っていった。その後は岡田さん政権の中国リーグ杭州緑城なんかでもプレーした。

まだ30歳だし、どこかでサッカーやっているはず。

 

2012年~2017年(ミシャ期)

■ポポ

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柏レイソルからやってきたマッチョマン。

Kリーグで活躍した後Jリーグに来日。柏・神戸と所属でコンスタントに実績を残し2012年から浦和所属。

小柄ながらも屈強な肉体を駆使し、前線で軸となったり、アジリティを活かした突破力、フリーランでの局面打開を得意としていた。またフリーキッカーとしても優秀で地を這うパンチのあるシュートは見ごたえ抜群であった。

もともと「点取り屋」というタイプの選手ではないが浦和での成績は21試合出場3得点と数字的にはパっとしなかった。しかし”暗黒”からの復帰を目指す中でマルシオ・原口などと抜群のコンビネーションを見せながら局面を打開していく姿は数字以上に印象的で、筆者個人としても結構好きな選手であった。サブでも決して腐らないプロとしての姿勢も立派。あと単純に良い人オーラがめっちゃ出てた。

翌年2014年にはJ2に降格してしまっていた古巣神戸へ移籍。シーズン16得点を決める活躍を見せ健在をアピールしてみせた。

 

ズラタン

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スロベニア代表FW。フルネームはズラタン・リュビヤンキッチ

2012年大宮アルディージャに加入すると母国の僚友ノヴァコビッチと共に2012年の残留、2013年前半戦の躍進に貢献した。浦和には2014年加入。

屈強な肉体とアジリティを共存させたプレイヤー。大宮時代から得点源というよりはサイドに流れてのアシストなどを得意としていたが、選手層の厚い浦和ではより一層「スーパーサブ」としての側面が強くなってしまった。しかし限られた出場時間の中で決定的な仕事をすることも多く、数字以上に印象に残る選手。

退団が発表されていた2018年ラストの試合となった天皇杯決勝ではキャプテンマークを巻き、12年ぶりの天皇杯制覇に貢献。

 本人にとっては色々と思うところもあったはずだが最後まで浦和を愛してくれたナイスガイであった。

 

■ブランコ・イリッチ

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スロベニア代表。代表選手としても60試合以上の出場歴を持ち、スペインのレアル・ベティスセルビアパルチザン・ベオグラードなど名門クラブでのレギュラー経験も持つ即戦力として2016年浦和加入。

まぁ加入前に「あれ?この人SBが本職っぽいけど、どう使うのかな??」という懸念が抜けきれなかったわけだけど、結局その懸念そのままの存在になってしまった。

加入直後からケガで離脱するなどついていない面もあったが、ミシャ戦術に最後までアジャストできなかった。試合には当然CBとして出場したわけだが、求められる展開力や攻撃参加に関して満足なものを見せることが出来ず「う~ん、これは」と思っていたらあっさりスロベニアに帰ってしまった。しょうがないね、CBいないときはそこに宇賀神使ってたもん、ミシャ。

故に最近の選手にも関わらず印象薄さの極みなのであった。

 

ラファエル・シルバ

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ラファエル・ダ・シルバ。

2017シーズン第1弾の補強として性懲りもなく新潟から取ってきた助っ人FW。当時新潟サポから「ラファクラスすら取ってくのかよ.....!期待ほど活躍しねーよ....。」などと恨み言を吐かれていた。スマン。

でも結果的に新潟から取った選手では一番の「インパクトを残した選手」になってしまった。

新潟時代にはカウンターで能力を発揮するスピードタイプのアタッカーという見られ方がメインだったので、パスサッカーを志向している(と思われていた)ミシャサッカーには適応しないのでは?という懸念もあった。

その懸念通りバイタルエリアの細かい崩しみたいなものはあんまり得意ではなかった。しかしショートカウンター発動時にゴールに一番近い場所にいることで才能が開花。長距離走を強いられていた新潟時代とは異なりゴールへの最短距離を走ることで体力に余裕が生まれ、トップスピードでもミスをしないドリブル、パンチのあるシュートといった能力を遺憾なく発揮。序盤こそ出遅れたが結果的にはシーズンキャリアハイとなる12得点を記録。またACLでは11試合出場9得点とアジア勢の脅威として旋風を巻き起こし、浦和の2007年以来10年ぶりのアジア制覇に大きく貢献してみせた。

組織内ではイマイチでも個人兵器として抜群に使えることをアジア圏内でバッチリアピールしてしまった結果当然中国からオファーを受け、移籍金満額(9億円弱)を残して中国2部(当時)武漢にドナドナされてしまった。

中国2部では当然のように活躍し(23試合出場22得点)チームをスーパーリーグ昇格に導いたのだそうな。

元々ヨーロッパでプレイしていた選手だしまだ若い(満27歳)ので、活躍いかんではセレソンの可能性だってあるんではなかろうか?期待しよう。

 

■マウリシオ・アントニオ

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マウリシオ・デ・カルヴァーリョ・アントニオ。

名字が名前みたいな選手ランキング暫定第1位(俺認定)。ロビーのお恵み第1弾。

ブラジルU17代表の実績...というだけだと「外れ外国人」感否めない実績だが、ポルトガルリーグのマリティモでレギュラーとしてバリバリに出場していながら、浦和に夏加入という驚きの移籍劇を見せた選手(しかも前情報がほとんどなかった)。

髭ぼうぼうで仏頂面なので、ベテランの風格すら漂わせているがまだ27歳。サッカー選手としては油が乗りまくっているタイミングでプレーしてくれている。

対人守備に強く、高さもあり、足元も巧い、という三拍子揃ったプレイヤー。しかしデュエルに自信がある故に相手に食らいつきすぎてしまうという悪癖もあり、この辺は要修正点でもある。

ヘディングでの得点を得意としており、セットプレーの得点源としても優秀。即日ポルトガルにレンタルバックしてしまうと思いきや、浦和への完全移籍を選んでくれた聖人。長く浦和でプレーしてほしい。

 

2018年~2019年(そしてまた迷走期)

■クエンティン・マルティノス

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オランダ育ちの元キュラソー代表FW。主なポジションはWG・SH。

マリノスでほどほどに活躍していたところを3トップをやりたい堀さんが引き抜いた。が堀政権がほどなく瓦解。ワンフェイクとスピードで抜き切ろうとするワンパターンなプレー戦術や本人の戦術理解度の低さも相まって主力には定着せず、2018年はぶっちゃけ「失敗補強」という印象の選手だった。

オリベイラ政権では「狭いとこにも怯まず突っ込んでいくアホさ勇気」を買われ、1.5列目の特攻隊長みたいな使われ方をされはじめ、徐々に居場所を見出している感はある(大槻さんもおおむね同じ起用法)。

足元の技術はほどほどだが、アジリティには目を見張るものもあるので、是非頑張ってほしい。あと多分スゲー良いやつ。

 

■アンドリュー・ナバウト

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現役オーストラリア代表FW。

元々はWGとしてのプレーが多かったが、浦和加入後は主にCF・STなどで起用されている。

見た目通りの重戦車のようなドリブルが一番の持ち味。「オーストラリアの選手」というと想像できるプレイヤーをまんま表現したみたいな選手。パワーとスピードに優れているものの、技術はまぁまぁ。シュートもパンチはあるが、精度は低い。けれどもとにかくタフで一生懸命。チームのために90分間戦える選手でもある。

オズワルド・オリヴェイラ政権下では主力として期待されていたものの、川崎戦で負傷。定位置確保の機会を逸してしまった。

傷が癒えた今季も、定位置争いは苛烈で確固たる地位は得られていないものの、持前の「頑張り」が評価されてコンスタントに出場は果たしている。

この人もTwitterなどからにじみ出る人格の良さが半端なく、間違いなく良い人だと思う。(なんなんだこの評価)

 

ファブリシオ

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ブラジレイロFW。ロビーの贈り物その2。

鹿島在籍時にはぶっちゃけ全く印象に残らないプレイヤーだったが、その後移籍したポルトガルリーグ・ポルティモエンセでは主力として活躍。公式戦33試合で16ゴールとバリバリに活躍しているところをまた何故か浦和に移籍。

浦和でも実力を遺憾なく発揮し、加入後9試合で6ゴールの固め打ち。C大阪戦で靱帯損傷の重症を負ってしまい離脱。結果的にチームも下降してしまった。

フリーランやポストワークなど当たり前のプレーを当たり前にキッチリこなしてくれる非常にハイレベルなFW。あとは文脈なくいきなりぶっ放されるミドルシュートが驚異的。湘南戦で戦列復帰を果たしたものの、完全復活が待たれる選手。

 

■エヴェルトン

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ポルトガルからやってきたブラジレイロMF。ロビーの贈り物その3。

ポルティモエンセでの活躍を認められ、名門ポルトFCと契約。2018年は元所属チームのポルティモエンセへレンタル移籍という形でプレー。今季はロビーの紹介もあり、ポルトから浦和へ期限付き移籍、という形でプレーしている。

現代的なMFらしく、球の出し入れで緩急をつけていくセントラルハーフ。特別派手なプレーを見せることはないが、周囲との連携を軸に攻撃にリズムを与えていく選手。半面単独ではフィジカル的に相手を引き付けることが出来ない選手なので、今期前半戦かれを1ボランチに据えた采配は苦肉とはいえ失敗だった。

長澤・青木など体が強く、サポート能力に秀でたプレイヤーと共存することで存在感を発揮するプレイヤーだと思うので、今後の起用に注目したい。

 

ということで2019年までオーガナイズしてみました!不備があっても優しい心で見逃してくれるとありがたいです。。(適宜修正しますが)

「魂の重さ21g、舞台少女の煌めき130g」少女☆歌劇レヴュースタァライト8話「ひかり、さす方へ」がドチャクソ良かったという話。 

うわぁぁぁぁ「少女☆歌劇レヴュースタァライト」第8話「ひかり、さす方へ」がドチャクソ良かったんじゃぁぁぁ!!!

ということで、このパッションを思うがままに書きとめたい、というだけでこの記事を書いております。8話書いたから9話も書くとは限らないんでアレですけど。

いつもの「考察」とはちょっと違う「感想」記事ですけど、気を抜いてお読みいただけると嬉しいです。

※本稿は8話「ひかり、さす方へ」はもちろん、「レヴュースタァライト」のネタバレがバンバン入っております。予め視聴後ご一読いただくことをおススメいたします。

※あと、こんな駄文読むよりもアニメ本編を何度も見直す方が有意義ですとも言っておきます。是非「少女☆歌劇レヴュースタァライト」を見てください。よろしくお願いいたします。

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■神楽ひかり

物語序盤から「謎の人物」であったひかり。自ら積極的に「オーディション」という名のレビューに参加しながら、幼馴染である華恋が参加することは阻もうとする。

その行動の要因が謎だったわけだが、それ以上に謎だったのは神楽ひかりの「実力」。

招かれざる転校生。イレギュラーな存在。

明らかに「強者」的な立ち位置にいながら、第1話の純那戦では華恋の乱入がなければ「あわや」という事態まで追い詰められた。

劇中ランキングでも天堂真矢や西條クロディーヌ、大場ななに比べて目立たず、これまでしっかりと実力を示してこれたわけではない。

立ち位置に反して決して「強い」わけではないひかり。

その理由が最大の謎だったわけだが、この8話でようやくその理由の種明かしが為された。

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■オーディション

謎のシステムであった「オーディション」そして「レビュー」。

舞台少女の心の「煌めき」に舞台装置が反応し、より「煌めき」が強い舞台少女に「有利」な場が組まれていく舞台。その中で戦い「輝き」を奪い合う。それがレビュー。

一度敗れたとしても「オーディション」が続く限り何度でも参加可能なこの戦いに敗れた場合一体「何を失うのか」

ずっと謎だったその「失うもの」もこの8話で明らかになった。

幼き日に華恋と誓った「スタァになって舞台で再開する」という約束を守るべく英国音楽院で自らの実力を磨いていたひかり。

そんな彼女にもちかけられる「トップスタァ」への近道と言う名の「甘言」。

「オーディション」に勝ち抜けば、トップスタァとしての「煌めき」を手に入れることが出来る。

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キリンの言葉に従って「オーディション」に挑んだ彼女。しかし最後の最後に敗れ、「トップスタァ」への夢に敗れてしまう。

敗れた彼女が失ったのは「舞台にかける情熱」であり「舞台で示す煌めき」。即ち彼女がこの数年で磨いてきた全てだった。

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「オーディション」の仕組みとは要するに、参加者それぞれの持つ「煌めき」が意図せず賭けの対象とされ、敗者は自らの輝きを優勝者に渡さねばならないというもの。

「優勝者」が「トップスタァ」になれるのは、他の舞台少女の「煌めき」を根こそぎ「奪ってしまうから」に他ならなかったわけだ。

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それがこの「オーディション」というシステムだったのだ。

 

■失った130g

神楽ひかりが失ったもの。それは130gの「重さ」。

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体重42kgの少女が失った「130g」にどの程度の価値があるのか。

それは一概には分からないもの。

けれどもこの「重量」が、神楽ひかりが幼馴染との日々を捨て、「トップスタァ」となるために自らを研鑚する中で積み上げた「時間」と、その果てに手にした「煌めき」の「重さ」であることは確か。

人は死ぬときに21gだけ軽くなる、だから人の魂の重さは21gなのだ、なんていう科学実験もあったけれども、そう考えればこの130gにもずっしりとした重量感が生まれてくる感じもするのだ。

 

■残された煌めき

「煌めき」が失われてしまったことで、舞台に立つ「意味」も「情熱」も全てを見失ってしまったひかり。

そんな彼女に唯一残されていた小さな「煌めき」。

それは幼き頃に華恋と交わした「約束」だった。

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自分を「舞台少女」へと変えた、原初の「煌めき」。その小さな小さな「煌めき」を頼りに「舞台少女」としての自分をかろうじて取り戻したひかりは、オーディションの仕掛け人であるキリンへと迫る。

 

■キリン

オーディションで敗れたにも関わらず小さいながらも「煌めき」を残していたひかり。その事実はキリンにとっても「意外」であり、故にひかりの存在はキリンにとって「異端」でもあった。

キリンは再度ひかりに「オーディション」参加を呼び掛ける。

もしも「オーディション」で勝ち残れば、もう一度失った「煌めき」を取り戻すことが出来る。

その代わりひかりは残された最後の小さな「煌めき」を「戦い」に賭けなければならない。

この戦いに敗れた時、ひかりは本当に「舞台少女」でなくなってしまう。それだけでなく大切な「思い出」や「約束」までもを失う羽目になる。

ひかりにとっては「勝つしかない」戦い。

それを持ちかけるキリンが、英国博物館の骨格標本越しにその存在を露わにする。

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映画「サイコ」でも動物骨格は「死」や「死神」のメタファーとして扱われた。

こういった描写から、キリンという謎の存在の「正体」がじんわりとだが炙り出されていく感覚がある。

 

■ひかりの武器

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小さくなったひかりの武器。武器の大きさとは「舞台少女」の持つ「煌めき」に対応していたという事実がここで明らかになる。すなわち「武器」の「強さ」や「大きさ」はその「舞台少女」の「煌めき=実力」とも密接に関係していたわけだ。

登場する舞台少女たちの中でも極めて小さな武器を持っていたひかり。そして決して実力を示せていたわけでもないひかり。その「理由」がここで明らかになる。

彼女が「強くない」理由は「煌めき」の大半を失っていたからなのだ。

そして彼女の持つ武器とは、彼女が「舞台少女になろう」と誓った、あの日の「小さな決意」そのものの大きさなのだと分かる。

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ほんの小さな「希望」と「決意」を握りしめて、勝てる見込みの無い戦いへと挑むひかり。その姿を応援したくなってしまうのは致し方なしだろう。

 強く掲げた掌(てのひら)すり抜け

奈落に落としたあの日の誓い

再び上る運命(さだめ)の舞台

例え悲劇で終わるとしても....

九十九期生 神楽ひかり!

全ては スタァライトのために!! 

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掌から零れ落ちた武器を繋ぎとめる「鎖」。

その「鎖」はまさしく華恋との「約束」が具現化したもの。

零れ落ちそうになった「煌めき=剣」を「鎖=約束」が繋ぎとめる。

ひかりの武器自体がひかりの「小さな煌めきそのもの」を具現化した存在であるという事実。

その事実にとにかく痺れる。

そして 遂に披露されるひかりの”口上”。

「ひかりの物語」が明らかになった今だからこそ披露される、そして今だからこそ「突き刺さり」「痺れる」。

このシーンの素晴らしさだけでこの回に5億点を差し上げたくなってしまう。

 

■RE:CREATE

いよいよ大場ななとの戦いに挑むひかり。二人のレビューのタイトルは「孤独のレビュー」。レビューを彩る楽曲は「RE:CREATE」。

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直訳するならば「作り直し」

7話で明かされたように、大場ななは「自らの最高の舞台を再現する」ために、また「全ての舞台少女を絶望から救うために」「オーディション」で勝ち続け、その優勝の代価として何度となく同じ時間を「ループ」させ続けているというある種の「狂気」に駆られた人物でもある。

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また大場ななといえば大きな「孤独」と「絶望」を抱えた人物でもある(その理由は今だ謎)。そう捉えるとこの舞台はいかにも大場ななに有利な舞台であるようにも思えてくる。

しかし物語後半、この意味がガラリと反転していく。そこもまたこの8話の「気持ちよさ」に繋がっているように思える。

 

■大場ななの「強さ」

自らの「願い」を叶えるために「同じ時間軸を何度も繰り返す必要のある」なな。

彼女の願いはまっすぐに「歪んでいる」ものの、そのまっすぐさが彼女の「強さ」そのものにも繋がっている。

「願い」を叶えるために、もはや気が遠くなるくらいに戦い続け、勝ち続けてきたなな。彼女はもはや常に「最強の実力者」であるはずの天堂真矢を圧倒するほどに強くなってしまっている。

彼女の持つ「煌めき」はただひたすらに肥大化し、彼女は舞台少女の中では別格の「実力者」になってしまっている。「原初の煌めき」しか持たないひかりが軽く一蹴されてしまうのは当然で、舞台少女の「煌めき」に呼応する舞台もまた、ななに有利な場を作り上げていく。

圧倒的優勢なななが作り上げた舞台は、ひかりが自らの「煌めきの消失」を自覚した英国時代の舞台。

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あの時「失ってしまった煌めき」という事実に耐えかねておろしてしまった剣。そのトラウマがひかりに襲い掛かる。もはやなな勝利確実という最中に、華恋と交わした「約束」が「煌めき」となってひかりを奮い立たせる。

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舞台少女としての「全て」を失いそうになったひかりを、今この場に繋ぎとめているのは、「スタァライト」を始めてみたあの日の誓いがあるから。

始めはただ華恋の前でお姉さんぶりたいだけで、「舞台への渇望」なんてまるでなかったひかり。そんなひかりに「舞台への渇望」を与えたのは華恋。彼女が「二人でスターになってみんなをスタァライトしちゃおう」と言ったあの日。そこではじめて「舞台少女神楽ひかり」が生まれたのだ。

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ここで絶望に呑み込まれて、ななに敗れてしまったら、自分を救ってくれた華恋との「約束」を守れなくなってしまう。

今ここに再び「戦うチャンスを与えてくれた希望」をも裏切ることになってしまう。

だからこそひかりは頼りない小さな煌めきを手に再度立ち向かうことを決める。「もう負けない!」と叫んで。

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華恋との約束があるから「戦える」。

ひかりの中から「煌めき」が溢れ出す。

「孤独のレビュー」を「孤独ではない心」が乗り越えた瞬間、舞台はその「心」に応えて変化する。

武器もまたひかりの発する「煌めき」に呼応し、変化する。

レビューにおいて初の「第二幕」が発動する。

 

■華、ひらくとき

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ひかりの「煌めき」がななの「煌めき」を圧倒し、舞台は第2幕「華、ひらくとき(Blooming the star)」へと変化する。

小さくなってしまっていたひかりの武器。

元の大きさに戻るわけではなく、煌めきに呼応し、変形する。

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二人の夢が 開くわ

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第2幕のタイトルと同じように「星が花開いた」かのように変形したひかりの武器。

この形にひかりの武器が変形した...ということは、もはやひかりの勝利がこの舞台において「確定している」という印象を受ける。ここもまた痺れるポイントだ。

「煌めきの再生産」

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キリンの思惑を超えた部分で「再生」された「煌めき」。

レビュー楽曲である「RE:CREATE(再生産)」までもがひかりのための楽曲へと生まれ変わっていく。

逆境を自らの力で180度塗り替えていくシーンの快感たるやない。映像的な見せ場の美しさ・劇伴の素晴らしさ・そして何よりも「RE:CREATE」を歌唱する三森すずこさんの歌声の素晴らしさが物語への没入と興奮を高める。

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一緒に幼い日 植えた小さな種

大きく花開いゆく 星が導いた

もう負けない 諦めない 手を伸ばす君の方へ

逃げ出さない ナミダしない 約束の場所へ 

会いたかったよ 君にずっと 

もう一度 つなぐ星の絆 奇跡起こせる

 「同じ時間を繰り返す」という、確かに「絶望」はないものの、「未来」を描くことが出来ない「繰り返しの煉獄」へと誘う主である大場ななを、「二人で主役になる」という「不確定な未来」という名の「希望」を信じる神楽ひかりが打ち倒していく。

そしてその根幹となる力は、今この瞬間に生まれた「希望」であり「煌めき」である。

そういった文脈的な意味合いの素晴らしさを除いても、ここからのアニメ的な楽しさたるや無い。

ひかりのななに対する攻撃は正直冷静に考えると「よく意味が分からない」けれども、アニメとしての動きの気持ちよさが理屈を乗り越えて、「ひかりの勝利」を予感させる。

楽曲の盛り上がりとドライブするように、鎖を辿ってグワーっと画面内を回転するひかりの姿を見て興奮しない人がいるだろうか。こういうシーンを見ている時に一番「アニメっておもしれー!」となるのだ。それを思い出させてくれたことが何よりもこの8話の素晴らしいところだ。

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楽曲最大の「キメ」と呼応して、爆発する画面。ここも「分かっている」。

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ハラリと落ちるななのマント。

そしてひかりが初めて発する「ポジションゼロ!」の宣言。

あまりの完璧さに何度見ても震えてしまう。

「レヴュースタァライトの世界」の「楽しさ」をここまでハッキリと見せられてしまったら、もはやこの作品を追いかけざるを得ないだろう。

敗れてしまった大場なな。しかし彼女の「願い」は変わらない。全ての「舞台少女」を「絶望」から救うため、誰も「傷付かない」「奪い合わない」「煌めきを失わない」世界を「再生産」し続ける。

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一見狂っている大場ななの「願い」だが、その根幹には彼女の「優しさ」とそれ故の「思い」も潜んでいる。

このままいけばやがて華恋とお互いの「煌めき」を賭けて戦う羽目になる。果たしてそれで良いのか。

また華恋が言うように「二人でオーディションに合格する」などという未来があり得るのか。それも分からない。

ひかりはななに勝利したが、新たなな課題を抱えることになる。

 

■大場ななが改心しない理由

最後にちょっぴり考察っぽいことを。

大場ななは今回神楽ひかりに敗れてしまったわけだが、彼女が趣旨変えをすることはなかった。今後も彼女は「永遠」を「繰り返すため」に戦うのだろう。

大場ななの思考には「永遠に素晴らしかった過去を繰り返したい」という「歪み」と「狂気」があることは確か。

だがもう一つ大事なのは彼女が「オーディション」というシステムにおいて「傷付く舞台少女を生み出したくない」と考えていることも確かだという事だろう。

今回明らかになったように「オーディション」は非常に残酷な制度だ。

勝利した「一人」はあまねく「煌めき」を手に入れることが出来る。

しかしその代わり敗れた舞台少女は自らが元々持っていたり、努力の末手にした「煌めき」を完膚なきまでに手放し、「ただの人」になるしかない。

それが果たして「是」であるのか。ここに解答は出ていない。

ななが望むのは「全ての舞台少女が傷付かず、救われる世界」である。

そう考えれば、彼女の想いもまた、この物語を考えるうえでは重要なのかもしれない。

「過去」ではなく、「未来」に向かって、全ての「舞台少女が救われる」可能性があるのだとすれば。

その結末にたどり着くうえで、華恋やひかりだけでなく、ななもまた「重要な登場人物」なのかもしれない。

ということで今後も「少女☆歌劇レヴュースタァライト」を楽しませていただきたいなと思う次第である。

あぁ8話面白かった。

 

 

生きるっつーこと

前のブログからこのブログに移行して今日で2年なんだとか。だから別にそれがどうってわけではないんだけど。

折角だからなんか書こうと思って、書き始めたけれど、特段言いたいこともないし、取り留めのも無い話をしようかなと思う。

 

僕はよく口癖のように「虚無だ虚無だ」なんて言うので、一部の人には「あいつは虚無を生きている」と思われているのだけど、それは一部は正解で一部は誤解だ。

僕はこの世の中は「無」だと思っているし、それは確かだ。

だってあまりにも不条理に満ちている。

頑張ってても報われないこともあるし、ボーッとしててもラッキーなことが起きることもある。善い人が長生きするわけでもなければ、悪いヤツに天誅が下るわけでもない。世の中は大抵が「不条理」でそこに理屈はない。そんな「不条理」を僕らに操作する手立てもない。

そう思うとやっぱり根本的に世界は「無」に包まれているような、どうしょうもない無力感に支配されることもある。

とはいえじゃあ「虚無」を受け入れて、「死んだように生きていくべきか」っつーとそうは思わない。

世界が「不条理」で本質的には「無」だからこそ、やらねばならんこともある。

そんな風に思うようになったのは、身近に「不条理」な「死」が何回か起きているからかもしれない。

 

中学のころ「仲間」がいた。友達というよりもそいつは「仲間」に近くって。同じクラスでもなければ、特段親しく話す間柄でもない。絵を描くのが得意で、ゲームが得意なやつだった。多弁な方ではなくて、どちらかというと寡黙で、目立たないけど、クラスの中ではなんとなく一目置かれているみたいな、不思議な雰囲気のヤツだった。

さっき書いたみたいに、学校で特別話す間柄ではなかったけど、地元のゲーセンで逢った時とか、自然とゲームの話をしたり、好きなマンガの話をしたりするような、独特な関係性だった。しばらく経って奴から聞いたのは「お前にはどこか自分と似たところがあるから、同志だと思ってた」なんて言われて、ほんの少しだけ嬉しかったのを思い出す。

そいつが中2になるくらいから学校に来れなくなった。詳しいことは分からなかったけど、どうやら困難な病気になったらしくって、治療に専念せざるを得なくなったのだと聞いた。さっきも言ったけど、表面上特別仲の良い友達というわけではなかったから、お見舞いに誘われることもなくって、しばらくが過ぎて。

高校に上がる直前くらい。ある時急にお呼びがかかった。「なんで俺?」と思ったけど、ヤツが僕を指名したのだそうだ。

 

久々に会ったヤツは雰囲気が変わっていて。色々なものを乗り越えて、どこか達観した存在になっていた。体力的には相当弱っていて、ベッドから移動することもかなわなかったけど、それでも難病にかかっているわりには、元気そうな振る舞いだった。

何を話したのかはサッパリ覚えていない。なんか確かその時流行っていた格闘ゲームの話とか、ヤツが書いたイラストの話とか、そんなことしか話さなかったような気がする。

一番驚いたのは、ヤツが「神様」を信じていたことだ。本当につらくって、心が苦しくなった時、仮に死んだとしても「行く場所がある」と言ってもらえるのが、心の救済になったのだそうだ。だからヤツは神様に関するイラストを何枚も何枚も書いていた。

僕は昔っから「神様」なんて信じないけど、ヤツが本当に救われたような表情をしていたから「それならそれでも良いのかもなぁ」とか考えていた。

そんなことがあってから、割とすぐにヤツは逝ってしまった。まだ高校生になった直後だった。身近な人が、しかも自分と同じ年の人間が逝ってしまうのは、自分でも想像以上にショックだった。

僕はヤツのことが、才能豊かなところも含めてなんだかんだやっぱり好きだったし、当たり前だけど死んでなんて欲しくなかった。

なのにヤツのご母堂は「神様のところにいって救われます」なんて言っていて、僕はそれが本当にイヤでイヤで仕方なかった。受け入れられなった。「神様のところにいってから救うくらいだったら、今すぐ救ってくれよ」と心底思った。なによりヤツがいなくなったのが悔しくって、悲しくって、どうしようもなかった。

当時からもちろん、大切な存在を失ったご母堂の心を「神様」が救っていたのだと分かってはいたけど。

それでもそういう理屈を抜きに、僕はどうしても納得がいかなくって。それから「神様」なるものを信じようと思ったことは一度もない。

 

しばらくして高3の春に、部活の高2の後輩が、何の前触れもなく逝ってしまった。

生真面目なヤツで、僕が部活の部長を引退したあとは、彼が実質的に部長を務めていた。学年テストで何度も1位になるようなホントに優秀なやつで、でもどこか融通が利かないクソマジメなところもありつつ、そこが愛おしい愛すべきヤツだった。

元々身体がちょっと弱くって、時折学校を休んだりしていたというのは、彼の最大の親友から後々聞いた話で、僕は当時そんなことひとつも知らなくて。

でもだからこそ、親友の彼からしても、こんな事態は予想外で。いつも通りの体調不良が、気付いたら緊急事態になって、呆気なく逝ってしまったのだということだった。

彼が淡々と話すのにつられて、僕も淡々とそれを受け入れたけど、やはりフツフツと「実感」が湧いてくる時もあって、やはりなによりもその「呆気なさ」が痛くて、辛かった。

「なんの因果もなく人は死んでしまう」というそれを、なによりも強く痛く実感させられた。

彼の死後、ちょっとよく分からないのだけど、教員を中心に彼の「功績」を讃える流れが発生して、僕も「文集」とやらに「先輩」としてコメントを寄せるように指示された。もちろん断る理由も無いので、彼との思い出を書きながらも、なんともいえない気持ちに襲われたりもした。

「死んじまってから、どんだけ持ち上げられたって、本人にはなにも返ってこないじゃねーか」

とか、そんな身もふたも無いことを考えていたら、いよいよ無難なコメントしか書けず。期待していた原稿と違った内容を読んで、教員も眉を潜めていたような気がする。

だってしょうがねーじゃないか。彼は悪いヤツじゃなかったし、好きだったけど、だからって聖人君主でもスーパーマンでも超天才でもなかった。それが「死んだ」途端に「そういった存在」として祭り上げられるのって、明らかにおかしくないか。かえって本人を貶めることになるんじゃないかと思ったら、果てしなく無難なコメントしか書けなかった。

それになにより、「死んで追悼される」よりも、やっぱり「生きていて」欲しかったんだ。「死んだことを祭り化する」のが、それが僕の心でずっとつっかえ棒になっていた。というかそっちのがやはり大きかった。「追悼文」というもの自体が、どうにも受け入れがたかった。

「死んで花実が咲く物か」なんて言うけど、ホントその通りだと思う。

 

こんな話をして「僕は彼らの分まで生きる必要があるし、彼らの描けなかった未来を紡ぐ必要があるのだ」なんて、美しい纏め方をしようだなんて、全く思わない。

彼らが描いた過去も、彼らが描けなかった未来も、彼らだけのもので、僕には全く関係がない。それを穢すつもりもない。

僕が思うのは、つまり「過去」も「未来」も、そんなに「重要」じゃないってこと。

人間いつ死んじまうか、まったく計算ができない。二人は「病気」で逝ってしまったけど、それだけじゃなくって僕らに操作できない「不条理」は数多ある。

これを書いて眠った翌日にもう目覚めないかもしれない。明日交通事故で死んじまうかもしれない。

それは誰にも予想できないもの。

だとすれば僕は、「今」をなによりも愛して生きようと思う。

仮に納得できない「不条理」や「不運」があったとしても、それをかけがえのない「今」として受け入れて生きる。そしてそれを受け入れた上で、もう少しその「今」を良く出来るように、ちょっぴり頑張ってみる。その「今」を重ねていく。重ねていく「今」が連なって、生まれていく「日々」を愛する。

それが僕にとってこの「不条理」で「虚無」な世の中で「生きる」っつーことなんだよな...というなんのオチも無い話を、不可思議/wonderboyの「Pelicule」という曲を聴きながら思ったりしたっていう話。


不可思議/wonderboy - Pellicule (Official Video)

 

待ってた、俺達はいつまでも待ってた

来はしないとわかってながらいつまでも待ってた

俺達の知る限り時間ってやつは止まったり戻ったりはしない

ただ前に進むだけだから今日は戻らない日々を思い出して笑おう

今日だけ、今日だけは思い出して笑おう

こういうのってあんまり格好良くはないけど

初めから俺たちは格好良くなんてないしなぁ

不可思議/wonderboy-Pellicule

 

W杯も終わったし、なんなら後半戦始まってますけど??? 浦和レッズ”超個人的” 選手名鑑 2018年

おかしい。

どういうことだろう。

硬派なサッカーブログだったはずなのに、エロゲーの話とかしている。

それどころかサッカーの記事とかまるで書いていない。

これはまずい!完全にアイデンティティクライシスである!!

 

ということで、久々に浦和の記事を書く。

そして俺は「硬派なサッカーブログ書くマン」としての矜持を取り戻すのだ。誰が何と言おうとも取り戻すのだ。いや、ホントマジでよろしくお願いします。ね?

 

...尋常ではないクソ暑気温に見舞われているものの、既にJリーグは後半戦が開始!

ぶっちゃけサッカーとかやってる場合なのか...?という人間の生命活動における根源的な疑問にぶつかる異常気温なわけだけど、動き出してしまったショーを止めるわけにはいかないのだ。しょーますとごーおん。

ということで、後半戦を戦う愉快な仲間たちを、自分勝手な解釈で紹介していくぜ!ヒャッハー!!!

 

1 西川周作 GK

果敢な飛出しと正確なパントキックに定評のある浦和にとっては絶対的な守護神。

...なのだが、実のところ昨年から今年頭にかけては不安定な部分が散見されていた。

まぁ前からダメな日はとことんダメだったけれども。

とはいえ、そのパフォーマンスの波が特に不安定な印象で、結果的に一番の特長であるはずのフィードまでが不安定になる始末。「こいつはどうしたもんか」というのが正直な印象だった。

意識変化は本人も認めるようにW杯以降。

”代表に選ばれなかった”こと、そして代表正GKである川島が必要以上の「バッシング」を受けたこと。この辺りが引き金になって、再び「キーパー」という仕事に向き合った結果、もう一度基本に立ち返ったということらしい(本人談)。

再開後にはビックセーブ連発。仲間のミスにも笑顔で励ますあの周作スマイルも返ってきた。後半戦反撃の狼煙の裏に西川好調あり。定位置は譲らないだろう。

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23 岩舘直 GK

いやー、見ないなぁ。今年いつ出たんだっけ??

と思ったけど、やっぱり公式戦出場なし。

大谷が抜けたとて、榎本・福島というライバルがいなくなったわけではなく。やはり一つのポジションを巡る争いは大変ということ。

今年で29歳といよいよ難しい年齢になってきているけど、どうするのかしら。

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25 榎本哲也 GK

本人が思った以上の苦境だろう。昨年はリーグ戦での出番はないものの、カップ戦では出場機会があったものの、今年はいよいよベンチ入りすらかなわない流れに。怪我という情報も無いので、完璧に若い福島に階層で追い抜かれてしまっている状況。

出場機会を求めるのであれば、選択肢も沢山あるし、需要もあるだろう。

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28 福島春樹 GK 

昨年から徐々に序列を高め、今年は正式に第2GKとして定着。

ルヴァンカップ広島戦で公式戦デビューを飾ると果敢な飛出しや、精度の高いビルドアップでチームに貢献してみせた。

25歳と年齢的にもまだまだこれから伸び盛りの存在でもあり、高齢化進む浦和の中では安心して未来を託せる存在でもある。

ちな一人で映っている写真が無かった。

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2 マウリシオ・アントニオ DF(CB)

昨年8月に「もうどうしたもんだか」な守備陣のテコ入れのために、ロブソン・ポンテの肝いりで加入したブラジル人CB。

確かな足元の技術・空中戦の強さ・豊かなスピードを生かしたカバーリング技術で、加入間もなくレギュラーに定着。身体能力を過信して果敢にインターセプトを挑むシーンなどもあり、「おいおいベテランだろう?」と思うこともあるのだけど、実は26歳なのだ。仏頂面に髭は年齢感覚を鈍らせる。。

今年はオリヴェイラ体制の元、持ち前の得点能力が更に開花。セットプレーでの得点源であり、もはや欠かせない存在。移籍とかマジ勘弁。

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3 宇賀神友弥 DF(LWB/RWB/LB)

あ?DF登録なのね?今年は4バックに取り組もうとしてたからね、などと現状3バックで好調なチームを見て色々複雑な思いを抱いてしまった。(宇賀神関係なし)

タフでハードな仕事を黙々とこなす浦和ユース出身、アカデミー内での成功者の一人。サイドの特攻隊長もいよいよ30歳。ベテランの域に入ってきている。

技術的なものではなく、俊敏性とタフネスを売りにプロとして長年サバイブしているのは見事。そしてそれはハリルホジッチの目にもとまり、日本代表候補まで行ったのだから素晴らしいことだ。とはいえ、日本では彼の「価値」がどうにも伝わり辛いらしく、舐められがち。

プレー自体は一見変化なく見えるが、徐々に円熟の域に入りつつあり、特に駆け引きで相手WBやSBを「疲れさせる」プレーは目立たないまでも非常に効いている。槙野と組む左サイドの崩しはこう着した展開では可能性を示すシーンもあり。

最近では川崎戦での「エンブレムを掴んで気合を入れているシーン」がカッコイイと話題になった。良かったね。

???「ウガジン、ヒジョウニミニクイ」

止めろー!!

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5 槙野智章 DF(CB/LB)

説明不要な浦和のみならず日本サッカー界の広告塔男。

優れた身体能力を軸に、日本代表でも活躍するCB。

彼もまたW杯によって何かを変えられたのか。

予選期間中は完全なレギュラーとして出場するも、監督交代→本番において昌子にレギュラーを奪われる事態に。結果出場はポーランド戦の1試合のみと消化不良の大会となった。元々今年は頭から「CBとしての意識改革」が見られていただけに、本人としても忸怩たるものがあったのだろう。再開後はより「CB」としての「在り方」を明確に意識してプレーしているように見える。

デュエルで抜群の強さを示すタイプではないが、マンマークでの仕事の確かさ、空中戦での勝率アップと主にディフェンス面での才能が開花し、「SBが本職だけど身体能力でCBやってる人」感はやや薄れつつあるだろう。

本格的なCBが不在な日本において、彼がその才能に従ってまい進し、更に成長してくれるのであれば、それは何よりも素敵なことなので、引き続きよろしくお願いしたいところである。

あと、何故か再開後初戦は髪型セットしていなかった。

「心身ともに疲れている」とコメントしていたので、それを表面的にも表現したかったのだろうか。そういうとこだぞ、マッキー(妄想で茶々を入れるのは止めよう)。

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14 平川忠亮 DF(RWB/LWB/RB)

攻守両面にタフに動き、右WBだろうが左WBだろうが、なんならCBだってこなす元祖何でも屋さん。別名「オフトの恋人」。

ヒラさん引退せぇへんでー!ということで今年もバリバリに元気。とはいえ、右には活きの良い橋岡という存在が現れ、レギュラーで活躍中ということもあって、本来右のレギュラーだったはずのマルティノスがベンチ。結果的にヒラさんがベンチに入る余地も無い感じに。。

過去の発言を聞くに彼がここまで現役生活を長く続けるとは思ってもいなかったので、意外である(以前にも同じようなことを言った記憶あり)。

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 17 茂木力也 DF(CB/RB)※レンタルバック

ユース生え抜きのCB。愛媛→山形へのレンタルを経てシーズン中だが復帰。

背景としては移籍の決まった遠藤の穴埋めという要素が強いものの、J2では通算42試合出場。ほぼレギュラーとしてプレーしており、レンタルしての実績はしっかりと残せている印象。正直なところJ2の試合は追い切れていないが、レンタル前には非常に度胸のあるリベロタイプのCBといった印象だった。足元に自信があり、ゆったりとでもボールキープするけども、それが危なっかしさにも繋がる感じ。

山形では複数ポジションを経験したとのことだが、ポリバレント性さえ増していれば、今の浦和では十分に出場機会は得られるだろう。

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 26 荻原拓也 DF(LWB/RWB/SH/LWG/RWG)NEW!

浦和ユースから昇格のDF。

本職はSBでそのポジションで世代別代表にも選ばれているが、機動力を生かしたドリブル突破と正確なシュートをキャンプ時からアピールし、プロデビュー戦となったルヴァンカップ名古屋戦ではWGとして先発出場し、ドッピエッタを達成と周囲の度肝を抜いた。

技術的にはまだまだ荒削りで、正直なところ特筆した「強み」みたいなものもそれほど無いのだが、プレースタイルがハッキリとしているおかげで起用される機会も多い。

縦への推進力の高さは今のところ唯一目立つ部分でもあるので、そこを伸ばしていけばひょっとしたらひょっとして「浦和のベイル」になれるかも??と期待だけはしている。

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 27 橋岡大樹 DF(RWB/RCB)NEW!

ユース時代から将来を渇望され続けてきた大器。

サイズの大きさだけでなく、スピードにも際立ったものがあり、CBとしてもSBとしてもプレー可能な器の大きさがある。2017年からトップチームでプレーし、今年は完全にレギュラーに定着。主に右WBのポジションで連続出場を続けている。

守備のタイトさだけでなく、攻撃にも鋭さがあり(技術はそれほどないが)、シンプルにスピードで抜いて、正確なクロスを入れて見せるところに、新世代ならではの「器用さ」を感じる。

19歳とは思えぬ「熟練感」に時折忘れがちだが、まだプロとしてフルシーズンをレギュラーで過ごした経験がなく、終盤の息切れが心配ではある。

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 31 岩波拓也 DF(CB)NEW!

神戸ユースの最高傑作とも名高いCBが浦和加入。

名前の印象と異なり屈強なストッパーではなく、ビルドアップと読みの鋭さを武器に活躍するCB。タフネスさでマウリシオ、槙野、遠藤との競争に敗れサブに甘んじていたものの、遠藤の移籍をきっかけにレギュラーを掴みつつある。

1対1であっけなく負けたり、空中戦の弱さを露呈したり、ここまでの印象は決して良いわけではないのだが、レギュラー定着後は安定したプレーを続けている印象。

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46 森脇良太 DF(RB/RWB)

ボールコントロールと長短織り交ぜたパス技術に抜群のセンスを示すCB。元々はSBだったことからも分かる通りクロスの質も良好。

Mrパイナポー森脇良太も、ミシャ解任後は苦労している印象。怪我などもあったが、足元の技術が高く、元々CBとしての適性が高いとは言えない選手ながら「後方からのビルドアップが生命線」であるミシャサッカーだからこそサバイブしてきた選手でもある。故に「トランジション能力」の高さを求められる大槻→オリヴェイラ路線ではCBとしてプレーする線は薄いかもしれない。

反面足元の技術の高さを生かして、本来向いていると思われるCHに活きる場所を見出している感もあり、今後の彼の動向に期待している。というか個人的にも選手として好きなので、このまま終わってほしくはない。

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7 武富孝介 MF(OH/RMF/ST)New!

埼玉生まれ、柏下部組織育ちのアタッカー。

本職はセカンドトップないしはトップ下気味のMFなのだろうが、サイドMFも含めてそれなりにこなせる。持ち味は豊富な運動量を根幹にした精力的なランニングで、ここは湘南時代の指揮官であるチョウ・キジェも絶賛していたようだ。その特性を見るにオリヴェイラサッカーとの親和性は高そうだが、指揮官変更後にはなかなか出番に恵まれていない。重大な怪我などの情報もないので、単純にまだオリヴェイラ式が身体に沁み込んでいないのかもしれないが、武藤の負担が大きく、山田直輝不在の今、彼は必要な存在と思えるが、今後どうなのか。

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10 柏木陽介 MF(CMF/OMF)

今年からキャプテンマークを引き継いだ「浦和の太陽」。

技術力の高さをベースに浦和の攻撃のタクトを握る司令塔。足の遅さが玉にきずだが、結婚後の食生活改善でぽっちゃり体系からグッドシェイプに変化。

スピードは上がらないものの、単純な「走力」が上がった。守備は上手くはないものの、自身が空けてしまったスペースを献身的にカバーする様子をよく見る。必要だからという要因もあるのだが、相手DFの裏を狙う「一発パス」を狙いたがるクセがあり、それがミスパスになった際に自分の裏にカウンターパスを通されるシーンも多い。善し悪しなのでなんとも言えないが、もうすこしパスチョイスの精度が上がってくれたらもう一段回上のプレイヤーへと進化するような気もする。もちろん素晴らしいフットボーラーなのだが。

後半戦ではすばらしいコーナーキックでセットプレーの得点を演出。とはいえ昔から「陽介のキックは最高」と言われ続けているわけで、要は中で合わせる練習をした成果が出ているだけに過ぎないようにも思える。「全然決まらないセットプレーは柏木の責任」と言われていたりもしたわけで、ホント可哀そうだなぁと思ったりもする。

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11 クエンティン・マルティノス MF(SMF/WG)NEW!

両足を器用に使いこなす、オランダ育ちキュラソー代表のウインガー

横浜FMでは主に両サイドハーフとウイングを兼任していた。実に「ウイング大国オランダっぽい」アタッカーで、彼を招くということは、まぁ要するに3トップをやりたいのだな...というのが素人の僕にもすぐわかるチョイスであった。

「来たら思った以上に活躍した」なんてパターンが頻出するここ数年の浦和の補強だが、マルちゃんに関しては「思っていた通りのやつが来ちゃった」感じだ。これは決してポジティブなトーンではなく。

ドリブルに拘るウインガー故に独力の突破に自信があるようだが、切り替えしのパターンがワンパターン、およびスピードで振り切ろうという傾向が強すぎて、もはやJリーグでは完全に「やり方」がばれていて一人も突破できないシーンが目立つ。

唯一の利点は「マジメ」で「一生懸命走る」ことなのだが、サッカー脳が少し弱く「必要なランニング」が出来ない。一生懸命動くし、頑張るけど、結果的にそれが「実らない」。残念なプレイヤー感が顕著で、そして恐ろしいことにそれは彼が横浜でプレイしている際に私が彼に抱いていた印象そのままなのだった。Oh my....。

オリヴェイラはWBでの起用は早々に諦め、シャドーのポジションでの起用を模索中。ハーフスペースにアジリティを活かして幾度となく飛び込ませる仕事をさせているが、狭い所に入ることを厭わない性格がその仕事にはうまいことマッチングしていて、これまでよりは可能性を感じさせる。とはいえ、新加入ファブリシオがその仕事を上位互換でこなしてしまうので、なんともはや...ではあるが。

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15 長澤和輝 MF(OMF/ST/CMF)

昨年のアジア制覇に大きく貢献したガチムチトラジションファイター。八千代のバーサーカー。その力を以てしてもジェフを昇格に導けなかった男。(なんでやジェフ関係ないやろ!)

相手とのボディコンタクトを厭わず、自分よりも屈強な外国人選手たちに無表情でぶつかり、ボールを奪う。結果として異常なまでのデュエル勝率を誇った。その淡々とした仕事っぷりは若干の狂気を滲ませ、ひょっとしたら脳の大事な部分を強化手術によって除去した戦闘サイボーグなのでは?と思わされる。

現在は怪我で離脱中であるが、武藤にとっては強力なライバルであり、同時に彼が帰ってきさえすれば中盤で起きている問題の様々な要素が解決する可能性もある。それくらい今の浦和が長澤に依存する要素は思いのほか大きい。

因みにTwitterはちょっとバカおとぼけな発言が多く、やはり改造手術の影響が...。

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16 青木拓矢 MF(CMF/DMF)

中盤のバランスをとる文字通り「かじ取り役(ボランチ)」。

もはや大ベテランとなった阿部勇樹からタスクを大きく引き継ぎ、今年はレギュラーとして出場を続けている。攻守のバランスに優れ、特にボールキープに関しては特筆しており、そういう意味ではブラジルのボランチっぽさもある。現状のシステムでは柏木やマルティノスファブリシオ、それだけでなく橋岡が空けた中盤スペースを埋めるタスクが大きくのしかかって、結果的に守備的な負担が大きい印象がある。この辺りはポゼッションが上がりさえすれば解決するはずなのだが、今期中に青木を救う展開があるのかは不明。

大きくサイドを入れ替えるサイドチェンジや、果敢にバイタルエリアに飛び込む攻撃姿勢にも定評があり、更なるブレイクを期待したい。

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18 山田直輝 MF(OMF/CMF)※レンタルバック

3度の期限付き移籍延長を終え、遂に浦和に帰還した「ハート」。別名「名古屋絶対殺すマン」。

湘南でチョウ・キジェ軍曹のもと心身共に鍛え上げられ、指揮官を「サー」と呼び、目の前の敵は「即殲滅」する湘南スタイルサイボーグとして帰ってきた(一部嘘誇張がございます)。

掘体制での前半戦では全く出番が無かったが大槻体制では出番を伸ばし、ルヴァンカップ名古屋戦では浦和で久々のフルタイム出場&勝利。オリヴェイラ体制でも信頼を勝ち取り、練習試合でも一番手グループでの出場を続けていたが、なんと全治4か月の重傷。ここぞというところで怪我に見舞われる運命だけは、本当になんとかならないか。辛い。今の浦和は間違いなく直輝が輝けるチームだけに早期の復帰を望むほかない。

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22 阿部勇樹 MF(DMF/CMF/CB/RWB)

日本サッカー界に間違いなく名を刻む「鉄人」。あらゆるポジションを高いレベルでこなし「ポリバレント」とイビッツア・オシムに評された才能は36歳となった今も衰えない。流石にフルタイムでの出場は厳しく、ここ最近は途中出場がメインだが、その役割は「守備固め」にあらず。

阿部投入によって浦和には再度スイッチが入る。チーム全体の攻守バランスを引き締める。クレバーなフリーランによってボールを引き出す役割をこなすだけでなく、自らも果敢にゴールを狙う。もちろん守備ブロックの構築もお手の物。阿部が入ることで、やはり浦和は1ランク上のチームに変わる。それを見る度に僕らは阿部勇樹というフットボーラーの偉大さと彼がいることの意味を実感するのである。

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29 柴戸海 MF(DMF/CMF/RWB/CB)NEW!

明治大学からやってきた「大学屈指」のMF。「しばとかい」と読む。

セントラルなポジションが基本ポジションで、守備的なポジションであればどこでもこなせる万能性が売り。大槻体制ではRWBでも起用され、問題なくこなしていた。プレーを長時間見ることが出来ていないが、割とデュエルやインターセプトに自信のある選手なのかなーみたいなフワっとした印象。

あと目つきが怖く、彼が大槻さんに指示を受けている時は「おう、海、あの10番いっちょやったれ。なに一人前になるってことは、一回クサい飯を食うってことじゃ。遠慮なく行けや」「うす」みたいな会話が脳内に聞こえてきて困った。(何の話だ)

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38 菊池大介 MF(LWB/RWB)

 昨年加入組だがミシャ式への適応に戸惑い定位置が確保できず。堀体制になってからは幾度か出番は増えるものの、定位置確保までは届かなかった。

走力とタフネスが最大の持ち味なのだが、反面位置取りやランの質はイマイチで、どうにも序列では宇賀神からは水をあけられた印象。とはいえとにかく一生懸命走るので、「まずは頑張る」ことを要求された大槻体制ではそれなりに活躍した。

オリヴェイラ体制ではまだ出番がほぼないものの、貴重な左サイドのWBの控えとしてベンチ入りはしている感じ。

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9 武藤雄樹 FW(ST/CMF)

栄光の9番を引き継いだ、器用で技術の高いFW。

ミシャ退任の影響をつぶさに受けてしまったのは武藤だった。器用さ故に堀体制ではSHを任せられるも、それって輝いていなかった仙台時代と同じ役割なわけで、案の定良さが全て消え去った。物理的にゴールから遠のく中で抜群のゴール嗅覚すら若干鈍り、結果的にゴール数も激減した。その影響は今なお癒えず、なかなかゴール数が増えて行かない原因になっている。

オリヴェイラ体制では主にハーフスペースに飛び込む。あるいはその動きを以てスペースを作る。人が明けたスペースを埋める。或いはトランジションの起点となるなどの地味な仕事を淡々とこなし、興梠の復調に大きく貢献している。

本人の性質には合った仕事をこなしつつ、アシストを伸ばすなどその成果も着実に出ているので、ここから自身のゴール数が伸びて行けばこれ幸いである。

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12 ファブリシオ FW(ST/CF/OMF)NEW!

 ラファ・シルバ移籍と怪我で離脱のナバウトの穴を埋めるブラジレイロFW。

ポルトガルのポルティモエンセで「ドリドリマン」中島翔とコンビを組んでチーム最多得点を取ったストライカー。知っての通り元・鹿島アントラーズの選手ではあるが、その当時はどちらかというとMFとしてのプレイが多く、点取り屋として開花したのはポルトガル渡欧後だろう。

ロングカウンターからのミドルシュートでの得点パターンが多く、「そっから撃つか?」みたいなシュートを易々と決めたりすることから相当シュート力が強いのだろうという前印象はあった。しかし実際にプレーを見て感じるのは、そのポジショニングの確かさだろう。常に適切なポジションでボールを受け、捌き。特にカウンターの場面では素早いルックアップからフリーの選手を見出す能力に長けていて、これまで未遂に終わることが多かったカウンターがバッチリ決まるのは彼の存在あってこそとも思える。広島戦でJ復帰後初ゴール。続く川崎戦ではPKを決め、ここから更なるゴール量産が期待される。トータル面で間違いなく「補強」と呼べる存在。

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19 アンドリュー・ナバウト FW(ST/CF/WGNEW!

オーストラリアのニューカッスルジェッツからやってきたサッカルーズ(サッカーオーストラリア代表の愛称)にも選出されているストライカー。ジェッツでは主にウインガーとしてプレイするものの、その屈強な肉体を活かしてセンターFWでもプレー可能。実際代表チームでは主にセンターFWとしてプレーしていた。

ポストワークなどはどちらかというと不得手で、ロングカウンター時に抜群のスピードとパワーを生かしてプレーするタイプ。「上手い」という感じの選手ではないが、とにかくシンプルかつパワフルなプレーが持ち味。マジメな性格も手伝って仕事をさぼらないので、オリヴェイラ監督からの信頼も非常に篤い。

リーグ戦の川崎戦でキーパーと交錯し、怪我を負ってしまうものの執念で回復し、W杯に出場。しかしここでも負傷してしまい負傷交代。今なお復帰できていない。

彼が復活した際にどのようなスカッドになるのかは不明だが、兎にも角にも復活が待たれる選手の一人。あとブログといいTwitterというとにかく「ナイスガイ」であることが際立つ選手で、好感度がめちゃくちゃ高い。

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20 李忠成 FW(ST/CF)

スピードと技術、トータルバランスに秀でたオールマイティなFW。

今年は難しい立ち位置にいる。コンディションは決して悪くないものの、ライバルが多く途中出場が続いている。しかしチーム内の誰よりもマジメで真摯な人柄が伝わるように、決して腐らず、自らの役割をこなしている姿を見るに、「プロフェッショナル」という言葉が似合う選手だと感じる。

ここ数試合ではスーパーサブ的な起用がバッチリ嵌り、相手が疲れてきた時間に敵陣をスピードで引っ掻き回す役割を担っている。川崎戦では粘りが実ってのPK獲得。劣勢の中で止めを刺す2点目を生む要因となった。

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21 ズラタン・リュビヤンキッチ FW(CF/ST)

屈強な肉体とスピード生かしたプレーに定評のある、元スロベニア代表FW。

序盤は出番があったものの、オリヴェイラ体制になってから出番が露骨に激減している。外国人枠の関係で一人がベンチ外になるのは仕方ないにせよ、マルティノスよりも序列が下なのか....と思うとなんともいえない気持ちになる瞬間もある。夏にはお別れ?と思ったがそういった様子が見えないのもなんとも。

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30 興梠慎三 FW(CF/ST)

柔らかい肉体、確かなポストワーク、ゴールへの衰えぬ嗅覚。押しも押されぬ「浦和のエース」。

序盤は堀式に苦しむも、レギュラーを渡す機会はほぼなし。オリヴェイラ体制でもCFの座を守り、8月で既に2ケタ得点を達成。パトリックを猛追している。

ポストワークの重責から解放されたことで、ライン際の駆け引きに集中できている印象があり、より職人的なゴールが増えている。

また、自身の為だけではなく、味方の為にスペースを生み、常にチームの為に尽くし続けるこの男は浦和最大のアイドルであり続ける。

ちなみに「こうろぎ」でなくて「こうろき」ですので!!

あと、チャントのメロディーは「ナナナーナ!」ですので!!お願いだから歌う時に直して!!

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■ オズワルド・オリヴェイラ 監督

オズの魔法使い」の名前に偽りなし。

短期間で可能な修正をしっかりと施し、後半戦の好調を生み出している。形に拘らずチームが一番力を出せる組み合わせを重視する姿勢もさすが「勝負師」。なんだろう、今までこういう本当の「職人」監督が浦和にいたことがほとんど無いから、ありがたい反面ちょっと怖い。

鹿島時代には「ハイプレスサッカー」に拘っていたとのことで、まだその理想が形にはなっていない。恐らくまずは今季をサバイブした上で、来季以降その取組が始まるはず。

以前からしつこく言っているが、さいたまスタジアムとハイプレスサッカーの相性は抜群に良いはずで、ひょっとしたら浦和の「熱さ」すらも蘇る可能性がある。

何はともあれ、この監督についていきたい!と思わせるカリスマの持ち主である。

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ということで今年の選手名鑑でした!!

よっしゃー!これで後半は浦和も巻き返しやでー!!!

またなんかの記事でお会いしましょう!!ほな!!!

浦和レッズあるある

浦和レッズあるある

 

 

シナリオ優先で個人的におススメしてみたいゲーム(18禁)という雑談。

 

※タイトルから明らかな通りそういうゲームを扱う記事です。とはいえ、直接的なリンクや表現・画像などは含みませんのでそこはご安心ください(あくまでシナリオメインの記事になりますので)。ですが、扱う題材は18禁ゲームですので、予めご了承のうえご一読くださいませ。

 

この間、久々にTwitterで「Fate記事」をピックアップさせて頂いたところ、思いのほか反響がありまして。

記事はあくまでも「Fate」の話だったのですけども、その中で当時の「エロゲ界のクリエイター」が今の「オタクカルチャー」とも関わりが深いという話をサブテキスト的にさせていただきました。

そのあたりを「面白い」と感じて下さる方もいらっしゃって。

思えば「Fate」の発売が2004年。今から14年前ということは、仮に現在20歳の方がいて当時は6才なわけで。そりゃピンと来ないし、面白いと思うのかもなぁとも思ったり。

ということで、今回はその派生として今の数倍「痺れる業界」だった当時の「エロゲ作品」の中で(00年代初頭)、自分がプレイしたもので、今でもおススメできる作品を数点ピックアップしてみようと思います。

はてなblogですので、レギュレーション等もございます。故に直接的なリンクなんかは貼れないと思いますので、もし興味ある作品があったらDMMとかで検索して購入頂ければと思います(一応DMMでの参考価格なんかは貼らせて頂きますね)。

※補足

今回チョイスしている作品はあくまでも「入門編」に近いものです。初めて遊ぶ方でも抵抗なく遊べる作品に絞らさせて頂いております。それ故に「クセが強かった」り「エグイ」作品は敢えてチョイスから外しています。予めご了承願います。またあくまでも「私が好きでおススメしたい作品」とさせて頂いております。個人的な見解なので「あの作品がない!」などのご指摘もご容赦願います。

 

ではサクっと参りましょうか。

 

Fate/Stay night(2004年)

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あらすじ:

伝奇活劇ビジュアルノベルゲーム。7人の魔術師、7騎の使い魔、生き残るのは、ただ一組。手にした者の願いを叶えるという「聖杯」。その聖杯を実現させるため、一つの儀式が行われようとしていた。聖杯に選ばれた七人の魔術師(マスター)には、聖杯が選んだ七騎の使い魔(サーヴァント)を与えられる。「騎士(セイバー)」「槍兵(ランサー)」「弓兵(アーチャー)」「騎兵(ライダー)」「魔術師(キャスター)」「暗殺者(アサシン)」「狂戦士(バーサーカー)」。マスターはこの七つの役割(クラス)を被った使い魔一人と契約し、自らが聖杯に相応しい事を証明しなければならない。つまり、マスターとなった者は、他のマスターを消去して「自身こそ最強」だと示さなければならないのだ。聖杯を求める行いは、その全てが「聖杯戦争」と呼ばれる。この地に起きる儀式は、その名に恥じない「殺し合い」といえるだろう・・・。

www.youtube.com

 おススメコメント:

 本記事の発端となった本作をまずはご紹介しよう。

シナリオライター奈須きのこ、原画:武内崇

この二名のクリエイターが軸となって発足した同人サークル「TYPE-MOON」の商業デビュー作となる作品...などという概要はまぁ前回の記事でも触れたので省略。

ゲームとしては非常にベーシックな(言ってしまえば今となっては古めかしい)ビジュアルノベル

7人のマスターと7人のサーヴァントによる「聖杯戦争」という「殺し合い」。その「非日常」に呑み込まれていく衛宮士郎という少年を主人公とした物語。

いわば少年漫画としてもとても「ありがち」な内容ながら、そこに「18禁ゲーム」ならではのしっかりとした「味付け」を施したことで、独特の「エグみ」をプラス。それによって「ベーシックな内容」を見事に「現代的な作品」にアップデートしてみせ、00年代の業界を代表する作品となった。

本作のキモは「ゲーム的な部分」ではなく、やはりプレイするごとに広がる「シナリオ」にあるのだろう。

一番最初にプレイすることになるであろう、セイバーをヒロインとする「Fate」ルート。続いて解放される遠坂凛をヒロインとする「Unlimited brade works(通称UBW)」ルート。最後に解放される間桐桜をヒロインとする「Heavens Feel(通称HF)」ルート。

解放されていくたびに明らかになる「Fate」という物語の真相。「聖杯戦争」の真実。キャラクターそれぞれの思惑。そして衛宮士郎という人の「背景」。

そして、物語が進むたびに「エグさ」を増していく、苛烈なシナリオ。

今なお本作の劇場版新作が公開されている現状を見ても、シナリオ自体が「古びていない」ことは明確。やはりFateを語る上で、そのシナリオの「素晴らしさ」に触れないわけにはいくまい。

現在はFGOから入ったファンも多く、意外なことに原点となる本作を未プレイという方も多いとのこと。確かにプレイするには、まぁまぁハードルも高く、プレイ時間も長いのですが、Fateの基礎は間違いなくここにある。

シリーズそのものをじっくりと楽しみ、理解するうえで是非とも一度プレイしてほしい作品。

 

おススメシナリオ:

現在第3章にあたる「Hevens Feel」の物語が劇場公開中だが、やはり個人的には第2章「Unlimited brade works」を推したい。

Fate」という物語における様々な謎が一旦解決されるだけでなく、主人公=士郎にとっても一つの「解」が与えられる物語。「Fate」において最も「王道」と呼んで差支えない物語で、入門編としても一番良い。

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士郎とヒロイン=凛との関係性だけでなく、士郎と「アーチャー」との関わりがピックアップされる物語。その中では心震わせる「熱い物語」が展開される。もはや「エロゲ」という枠を完全に乗り越えた「少年マンガ」的に痺れる展開は、きっと誰しもが楽しめるはずだ。

現在AmazonプライムではUfotable製作のアニメ版が視聴可能。こちらもかなり忠実なアニメ化なので、おススメしたい。

UBW」でピックアップされるヒロイン遠坂凛はいわゆる「ツンデレ系」ヒロイン。

誰もが憧れる容姿と性格の良さで「学園のマドンナ」でもあるのだが、それは猫を被った姿。仲良くなると途端にツンデレ要素をむき出しにしてくる。というのは、まぁツンデレヒロインの王道なのだが、同時によくツボを心得ている。

ヒロイン要素だけでなく、キャラクターとしての遠坂凛もとても魅力的。

古くからの魔術師の家系ゆえに「アナログ至上主義者」であり、致命的なまでの機械音痴。また基本的には能力が高いのにやたらと「うっかりミス」をする...など「隙の多さ」を抱える所も彼女の魅力。

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そんな「冬木のあかいあくま」の魅力にも是非触れて頂きたい。

因みにファンディスクとして後日譚(?)であるhollow ataraxia」という作品もある。こちらは必修というわけではないが、Fateシリーズにおける小ネタなど(アヴェンジャー、バゼット・フラガ・マクレミッツカレン・オルテンシアなどはここが初出)を理解するためにはやはり必須であり、余裕があれば遊んでいただきたいところ。

参考価格:

DMMでのDL販売はなし。

Amazonでは初回版の新品はなんと3万円超えというプレミア価格。

通常廉価版でも8000円前後。製品状態に拘りが無ければ中古ショップで購入するのをおすすめする。恐らく4000円前後で購入できると思われる。

hollow ataraxia」は初回盤、通常版ともに新品は1万円超え。こちらも中古では3000円前後で購入できるので、中古をおススメしたいところ。

なお「stay night」と「hollow atraxia」の同梱版となる「セット」もあるようだが、3万円とかするぜ。うむ。

両作ともに全年齢版ではPS Vita版などもある。

ぶっちゃけエロ要素はあってもなくても同じなので、そちらでも問題は無いと思う。

 

■家族計画(2001年)

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あらすじ:

擬似家族との絆を描いた18禁ハートフルホームコメディAVG。家族の温もりを知らずに孤独に育ってきた主人公は、ある日行き倒れの少女を発見し、面倒を見ることになってしまった。それをきっかけに、元社長令嬢、同級生、バツイチ美女など次々に身寄りのない人々が現れ、彼らと擬似家族として共同生活を始めることになる。原画を福永ユミ、シナリオを山田一、音楽をI’veが担当。


Family Project OP

 

おススメコメント:

ハートフルホームコメディ???(注:あらすじ内紹介文)

ま、確かにコメディではある。だが日本的な文脈の「コメディ」には当たらないのではなかろうか...。

人類は衰退しましたラノベ界においても堂々たる存在感を示した田中ロミオ氏。氏がまだ山田一というペンネームを使用していた時代の代表作である。

「加奈~妹~」によって、業界に「泣きゲー」旋風を巻き起こすきっかけを生み出した氏の新たな一手は、「ハートフルホームコメディ」の体を装った「社会派ホームコメディ」であった。

「行き倒れのチャイニーズ少女」を拾ってしまったことから、なし崩しに「疑似家族計画」へと引きずり込まれていく主人公。その計画の中で産まれる人間関係から、次第に明らかになっていく「計画に参加した人々」のバックボーン。

「社会」という名の「コミュニティ」にどこか居辛さを感じている者。自分の責任とは無関係の「抑圧」を受けている者。そしてその「抑圧を強いてしまった者」。それだけではなくって、そういった個人の事情だけではどうにもならない「社会」や「世界」そのものの「歪み」にも目を向け、それでも真っ直ぐに前を向いて進んでいく人々を「賞賛」し「祝福」する物語でもある。

この業界にツワモノのクリエイターが集うきっかけとなった作品でもあり、「知る人ぞ知る」名作でもあるだけに、是非一度プレイしてほしい作品である。

なお、シナリオにはそれなりに善し悪しはあって、どのルートも完璧とは言い難い。まぁそこも味と思って受け入れては頂きたいところ。

 

おススメシナリオ:

おススメシナリオとなると自然と「誰かのルート」の話になるのだが、ここは高屋敷青葉をチョイスしたい。

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疑似家族内では「長女」役となる彼女。元々はどこぞのご令嬢とのことなのだが、とにかく「キツイ」の一言である。

黒髪・黒目・全身真っ黒な服装のため、主人公からは「魔女」呼ばわりされたりするわけだが、その要因の一つは息を吐くようにぶつけてくる「罵詈雑言」にあったりする。

言う言葉がどれも臓腑を抉る呪詛のよう。その語彙の豊富さにも恐れ入るが、それを適格にクリティカルヒットさせにくるワードチョイスも恐れ入る。まさに悪魔のような女である(褒めてる)。

そんな彼女が抱える「過去」もまた、なんとも「苛烈」の一言。シナリオを追うたびに明らかになっていく「事実」を知った時、恐らくこのゲームのタイトルにある「家族」について深く考えることになるはずだ。

 

例外的にもう一人どうしても触れておきたいのが、末妹役となる高屋敷末莉である。

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実質ホー〇レス化していたところを拾われた彼女。バックーボーンもとんでもなく「苛烈」で、「悲惨」な状況にある登場人物の中でも極めて「悲惨」な人物でもある(本人が前向きだけに一層悲壮感が増す)。

一応ゲーム的には彼女が正ヒロインということもあり(それってどうなのだ?とも思うが)彼女のシナリオもまた独特で面白い。「笑って泣けて感動できる」という意味では彼女に軍配が上がるのではなかろうか。

余談だが、それまで全くのストレートだったプレイヤーを、いわゆるロリコン」として開花させた狂気のシナリオの持ち主と当時はよく言われたキャラでもある。なんともはやギルティ。

 

参考価格:

一時はプレミアソフト化した時期もあったが現在はDMMでDL配信中。ありがたい時代である。

数パターン出ているが、おススメは「家族計画~追憶~」。リメイク版も出ているがやはり福永さんの絵で楽しんでいただきたいところ。こちらは4937円とお求めやすい価格帯に。

因みに「家族計画~そしてまた家族計画を~」という後日譚もある。こちらは3394円。シナリオボリューム的にはそれほどなので、作品自体を気に入ったら購入で良いと思う。

なおDMM限定なのか「山田一アーカイブス」なるものも配信されている。前段にて触れた「加奈~妹~」だけでなくこちらも名作の誉れ高い星空ぷらねっとも含まれている。

 

カナリア(2000年)

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あらすじ:

この物語は、主人公・八朔洋平(ほずみようへい)が親の都合により、四国の香川県へ引っ越したことから始まる。
叔父の経営するスタジオで偶然出逢った女の子に惹かれ、転校先で軽音楽部に入部した洋平は、3ヶ月後に控えた学園祭でのライブの成功を目指す。新しい生活の始まった彼には、新しい出逢いと、その数だけの物語が待っている。

www.youtube.com

 

おススメコメント:

ある日業界に「フワッ」と現れた新興メーカーフロントウィング。彼らのデビュー作がカナリア~この想いを歌に載せて~」である。

ストーリーとしては地方(四国)に引っ越してきた男子高校生が、美少女及びバンド音楽と出会い青春を駆け抜けていくという非常にオーソドックスなジュブナイルものなのだが、シナリオ担当者が尖っていた

複数名による共作シナリオなのだが、担当者の一人が桑島由一氏。後に「神様家族」などを手掛けることになる方で、軽妙なキャラ同士の掛け合いとギャグ描写が抜群に上手いライターさんである。(筆者は桑島氏をかなり信奉している)

もう一人はヤマグチノボル氏。後に知る人ぞ知るゼロの使い魔を生み出した方。

ゼロの使い魔が発刊された時、ヤマグチノボルという名前を見て驚いた人は多かったはずだ)

原画家片倉真二を含め、それまでの業界にいなかった「フレッシュ」な陣容から生み出された作品がこの「カナリア」なのである。

特徴はやはり「キャラ同士の会話の楽しさ」。

普通の会話シーンがとにかく「楽しい」のでついつい読まされてしまうシナリオ。独特な個性を持ち、それを如何なく発揮してくるキャラクター。特に「男性キャラ」にも手を抜かない作り込みは素晴らしく、この系譜は後継作となるグリーングリーンで更に開花することになる。

しかし、そんな暖かい雰囲気を一変させる「とんでもない展開」もこの作品の持ち味。「なんでそんなことに!?」と驚かされることも多数で、これもまたこの時代ならではでもある。(そしてそのシナリオの意外性もまた「グリーングリーン」へ引き継がれていくのであった...)

また、「音楽」の素晴らしさも特徴の一つ。オリジナル楽曲のどれもがクオリティが高く、音楽の素晴らしさを評価するユーザーも多い。

因みにCV勢もとにかく豪華。彼女達の演技の素晴らしさを感じるには、実はDC版発売後に出た「ドラマCD」がとてもおススメ。

シナリオの超絶面白さと、CV陣の演技の素晴らしさがかみ合って、最高に笑える一品になっております。

若き日の堀江由衣さんもゲストキャラで出てるんですよ(ぼそっ)。

 

■おススメシナリオ

正直に言おう。シナリオとして格段好きなものは無かったりする。けれども全体のバランスの良さを鑑みて「やってみてほしい」とは思える。要は個別シナリオというよりも全体の構成が良い作品といえる。

敢えてピックアップするのならヒロインである佐伯綾菜だろうか。

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真面目でやさしく、抜けたところもあるおトボケヒロイン。

とにかく可愛らしいキャラなのだけど、シナリオが意外な展開を迎えて、色んな意味で唸らされるはず。

彼女のイメージソングである「シールド」が凄く良い曲なので、とにかく聞いてほしい。

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またドラマCD版では彼女を演じる満仲由紀子さんの名演もあって、とにかく愛すべきキャラとしての綾菜を感じられるはず。

参考価格:

DMMにてDL版販売中。価格は税込み3024円。とかなりお手頃。

パッケージ版は廃盤になってしまっているようですが、中古市場では購入できそう。ただ現在のPCスペックでは遊べないかも。

 

つよきす(2005年)

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あらすじ:

私立の学園に通う主人公・対馬レオは2年生。 初夏のある日、家に幼い頃姉代わりだった 従姉弟の鉄乙女(くろがね おとめ)が引っ越してくる。 乙女は、自分達の長期出張にかこつけてなまけている息子の 性根を叩き直して欲しいと両親に頼まれ、家にやってきたのだった。 さらに乙女は、生徒会の仕事を主人公に手伝って欲しいともちかける。 そこは主人公が想いを寄せる生徒会長・霧夜エリカが取り仕切る 女帝政治の場所であった。幼馴染の蟹沢きぬ達を巻き込んで 平凡だった日々が波乱へと代わっていく……。

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おススメコメント

2005年にきゃんでぃそふとから発表されたつよきす

「姉、ちゃんとしようよっ!」でその才能に注目されていたシナリオライタータカヒロ氏の評価を決定的にした作品でもある。

当時固定化されつつあった「ツンデレ」という概念。この作品はその「ツンデレ要素」にひたすらこだわり抜いた作品である。(とはいったものの製作者であるタカヒロ氏はこのゲームのジャンルを「強気っ娘」と言って譲らなかったけども)

このゲームの特長はとにかく「楽しい」ことに尽きる。

このジャンルで「面白い作品」を聞かれたら、私はまず真っ先に「つよきす」をおススメする。それくらい万人向けであり「楽しい」作品に仕上がっている。

さきほどの「カナリア」もそうだが、とにかく会話の全てが楽しい。それだけでなく会話シーンに抜かりがない。単純な読み物としてのエンタメ性がズバ抜けている。なにより上で紹介しているOPムービーに入るまでに膨大な量の前日譚が入るのだから恐れ入る。(もちろんその前日譚が面白い。因みに当時この前日譚をまるまる体験版として配信していたのだ。凄いでしょ?)

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楽しさを補てんする要素にも抜かりがない。

まずゲームシステムが非常に快適。台詞に併せて動き回るキャラクターを見ていると「紙芝居」と揶揄されたジャンルのゲームとは思えない。

SAVE・LOAD含めたシステム面も非常にユーザーライク。2周目以降はOPムービーまでのスキップ機能が付いたりする。

ゲームのチュートリアルにも数パターンが用意されている。ゲームを終わる時には特別音声が数十パターン用意されている。どうこれ、恐ろしい熱意じゃない?

サブキャラクターの声優陣の豪華さも恐れ入る。もちろん仮名での起用になっているが、アニメやゲームが好きな人なら声を聞いた瞬間に「誰」だか分かる凄いメンバーが出演している。(これは後の作品でも伝統芸となっていく)

サブキャラの造形自体が面白い。忘れられない「良いキャラ」が沢山出てくる映画は愛すべき映画になりがちだが、ゲームにおいても同じであることが理解できる。

とにかく「面白い」ことをやるための「妥協」がなく、それらを全力で詰め込んだ「おもちゃ箱」みたいな作品。それが「つよきす」である。

 

■おススメシナリオ

正直なところどのヒロインもおススメなのだが、やはり幼馴染蟹沢きぬをチョイスしたい。

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通称「カニ」。主人公対馬レオにとっては幼馴染。見た目はロリそのものだが、中身は野性味あふれるワイルドな性格。とにかく野獣のようなやつで、誰彼かまわず噛みつく。とはいえクレイジーなだけでなく、本能的な知性を持ち合わせていて、クセ者だらけのキャラの中でも非常に「常識人」な一面もある。

友情に熱く、幼馴染を傷つけるやつには容赦しない。兎にも角にも好感度が高いキャラである。

そんな彼女との「恋愛」って??と思われるだろうが、予想もつかない展開を見せてくれるので、これまた必見である。

因みにヒロインとは関係ないがこのゲームの人気を高めた最大の要因が、幼馴染の一人:鮫氷新一(通称フカヒレである。

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見た目も中身も本当の「ダメ人間」であるこのキャラを、某世界的人気なボール集めちゃうアニメの、某エリート王子役の声優さんが全力で演じているのである。恐ろしいでしょ?

彼の活躍を楽しむだけでもこの作品は最高に楽しめるので、今回取り上げた中でも極めておススメの一本でもあります。

あと実は「ヤンデレ」という概念を語る上で非常に重要なキャラクターも登場する。そういう意味でもエポックメイキングな作品なのだ。

 

■参考価格

DMMでDL版販売中。ですが7344円とほぼフルプライス。さすが人気作。タイトルと同じく強気な値段設定ですな。

中古であればAmazon3500円前後。ここが常識的かも。

因みに後継作が数多と出ているが、タカヒロ氏が深くかかわっているのは1作目のみ。氏の作品が好きな方で他にも色々やってみたいと思ったら、「みなとそふと」の作品に移っていくと良い。

 

この青空に約束を(2006年)

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あらすじ:

島が舞台のハートフル学園18禁AVG。本州から少し南にある離島。坂の多い島のふもとからずっと続く石段を登りきると、下の町や海まで一望できる高台になっておりその高台の上に主人公・星野航たちの通う学園がある。しかし島の産業の大部分を占めていた大企業の工場が来年撤退することになり、学生の数は次第に減少していた。島にあるもう一つの高台の上に学園の旧校舎を改装した寮がある。寮生の減少にともない現在は主人公とヒロインたちのみが住んでいるその寮は、島の住人からは主人公のハーレムだと噂されている。そんな寮になぜかこの時期にやってきた転校生も巻き込み、時には反発したりしながらもドタバタと楽しい毎日を過ごしていく。原画はねこにゃん、シナリオは丸戸史明with企画屋、主題歌はI’ve soundが担当。

www.youtube.com

 

おススメコメント:

 丸戸史明である。

誰?とお思いだろうが、シナリオライターである。

この青空に約束をを生み出したシナリオライターである。

それだけではない「Ripple」を、「ままらぶ」を、「FOLKLORE JAM」を、「ショコラ」を、パルフェを、「世界で一番NG(ダメ)な恋」を、WHITE ALBUM2を、そして冴えない彼女の育て方を世に産み落とした人物である。

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そのどれもが傑作であり、名作

つまり僕にとっての神is丸戸史明。なのである(錯乱)。

ちょっとどうかしてしまったけども、やはり僕にとって丸戸氏は特別なライター。

僕がこのジャンルにハマり込む原因となった方でもある。

もちろん全ての作品をおススメしたいのだけど、それはまた別の機会として、今回はこの青空に約束を(通称こんにゃく)」の話をしよう。

作品としてはこれまたオーソドックスなジュブナイルもの。とはいえ普通と違うのは、主人公は元よりほとんどのヒロインと「幼馴染である」ということ。そこに一人の「ヒロイン候補」が転校してくることから物語が動き出す...という意味ではちょっと視点が違うのも特徴。

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とはいえ基本的にはオーソドックスな物語を、丸戸史明なりのアレンジで表現していくことで、本作はとても魅力的な物語に変わっていく。

丸戸史明作品の特徴はとにかく「丁寧」な作り。

登場人物の設定、舞台設計からがっちり作り込む。それ故に登場人物の多くが「実在の人間」と同じように「複雑な性格」をしているにも関わらず、物語上では「破たんが起きない」ようになっている。

あらゆるルートで会話や物語に矛盾が発生しないように作り込まれたシナリオはまさに圧巻。そして組み込まれた「伏線」の多さと、その「伏線」の「鮮やかな回収」も素晴らしい。

そして更に凄いのは、そういった凄まじい仕事を「分かりやすく」見せるわけではなく、「違和感なく作品に落とし込んでいく」所。凄い手の込んだ料理なのに、パっと見それが分からない。でも食べた人には必ず分かる凄腕料理人の一品みたいなゲーム。それが「この青空に約束を」なのである。

さすが「企画屋」というプロの脚本家チーム所属だけあって「職人」なのである。

とはいえただの「職人」ではなく、氏独自の「こだわり」があって、それを探すのが氏の作品を追いかける面での「楽しみ」だったりする。

丸戸作品には表だって登場する「ヒロイン」と、氏が独自に設定している「正ヒロイン(丸戸ヒロイン)」がおり、そのルートは他ルートよりも更に凝ったつくりになっている。それをあらかじめ予想しながら、プレイ順番を決めていくのも丸戸作品の楽しみ方。

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本作は2006年度の「美少女ゲームアワード」において、大賞受賞作品(シナリオ賞、主題歌賞、純愛系作品賞、ユーザー支持賞も受賞)となった作品。まずはプレイしていただければその「面白さ」を実感してもらえると思う。

※ちなみにこの作品もコンシューマー移植版があるが、凄まじいシナリオ改変が為されているのでとにかくおススメしない。

 

■おススメシナリオ

※最初は個別シナリオの推しを書かなかったのだけど、追記する。

どのヒロインも魅力的だが、個人的な推しは桐島 沙衣里だ。

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学校の先生ではあるのだけど、舐められ通しのダメな大人。

丸戸史明はキャラメイクの天才だけども、ことこういう「ダメな女」を可愛く描かせたら右に出るものがいない。

とりあえず丸戸作品の「個性」とも言えるキャラなので、ピックアップさせて頂いた。

 

そして、個別シナリオに関わらず、この作品で最も推したいのはトゥルールートである「約束の日」である。

どのルートとも別の選択肢をすることで進む「可能性」の物語。そこでは「この青空に約束を」という物語の本当の「結末」が描かれる。

選んだ道の中で辿る「戦い」。そこで掴み取るほんのちょっとの「勝利」。それを共に讃える「仲間」。そして「約束」の意味。

作品を楽しみ、愛した人にとっては絶対に忘れられない物語がここにはある。

作品をしゃぶりつくしたものしかたどり着けないルートだけに、是非実際に遊んで、体験していただきたい。

ちなみにアニメ化したとかしてないとかいう噂もあるけど、「この青空に約束を」のアニメ版などありません(真顔)。

 

■参考価格

DMMでのDL販売はなし。2013年の新装版は定価ベースでの販売(8624円)とお高い。まぁ名作なので致し方なし。

Amazonでは6984円なのでこちらのが可。恐らく中古価格でもそこまでディスカウントされていない可能性もあり、不朽の名作と呼ぶに相応しい佇まいである。

因みに一時凄まじいレア商品になっていたファンディスクである「フォセット」は、今は定価で購入可能(6300円くらい)。あくまでもファンディスクなので、中古で買えば十分な商品である。

 

...ということで「触れやすく」確実に「面白い」作品を5タイトルピックアップしてみましたがいかがでしょうか。

もちろんPCを持っていないと遊べないという意味でも、18禁という意味でもそれなりのハードルがあると思うのですが、もしもこのジャンルに少し興味のある方ならばやって損しないタイトルを選んだつもりです。

是非触れてみて頂ければと思います。よろしくです。

 お付き合いいただきありがとうございました!

 なにこれ読みたい。

ぼんやり映画感想:救いもない、赦しもない、ただ解はある。「MANCHESTER BY THE SEA(マンチェスター・バイ・ザ・シー)」(ネタバレあり)

※本文にはネタバレが含まれます。必ず映画を視聴した後か、あるいはネタバレOKの方のみお読みください。

どうしても見たい映画の一本だった「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を見てきたので、雑ではありますが、感想を残しておこうと思います。

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※日本版のポスターはやたらと情報量が多くて、ゴチャゴチャし過ぎ。静かな映画に対してあのポスターは合わないと思います(まぁ、あれくらい乗っけないと人来ないのかもしれないですけど)

解説:

ジェシー・ジェームズの暗殺」「インターステラー」のケイシー・アフレックが主演し、心を閉ざして孤独に生きる男が、兄の死をきっかけに故郷に戻り、甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく姿を描いたヒューマンドラマ。「ギャング・オブ・ニューヨーク」の脚本で知られるケネス・ロナーガンが監督・脚本を務め、第89回アカデミー賞では作品賞ほか6部門にノミネート。アフレックが主演男優賞、ロナーガン監督が脚本賞を受賞した。プロデューサーにマット・デイモン、主人公の元妻役で「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ、兄役で「キャロル」のカイル・チャンドラーが共演。アメリカ、ボストン郊外で便利屋として生計を立てるリーは、兄ジョーの訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。遺言でジョーの16歳の息子パトリックの後見人を任されたリーだったが、故郷の町に留まることはリーにとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。(映画.comより抜粋)


アカデミー主演男優賞受賞『マンチェスター・バイ・ザ・シー』予告編

www.manchesterbythesea.jp

 

感想:

製作マット・デイモンで、本来が彼が主演も務める予定となっていた本作。諸々の事情により主演を下りることになった彼が後任として指名したのは、親友であるベン・アフレックの弟=ケイシー・アフレック。「この映画をきっかけに不遇な境遇に別れを告げてほしい」。そんなマットの熱い友情が実を結んだだけでなく、作品としても高い評価を得た本作。アカデミー賞では6部門にノミネートされ、脚本賞主演男優賞を受賞しました。特に前段のような事情で主演を任されたケイシー・アフレックの受賞コメントには、多くのアカデミー会員たちがスタンディングオベーションでこたえていたのが印象的でしたね。

そんなわけで公開前から割と話題だった「マンチェスター・バイ・ザ・シー」ですが、やはり日本公開ではパンチが足りないのか、現在都内での公開は恵比寿ガーデンシネマと有楽町ヒューマントラストシネマのみ。公開規模の小ささは寂しい限りですが、映画の内容的にも「万民向け」とは言いづらいところもあって、致し方なしでしょうか。

私は恵比寿で拝見しましたが、客席は8割方埋まっているなど、なかなか好評な様子でした(公開が2館だけだからというのを差し引いても)。

 

ケイシー・アフレック演じるリーの佇まい。

映画はケイシー・アフレック演じるリーという男が雪かきをしている...というなんともぼんやりしたシーンから始まります。その後彼がどんな仕事をして生計を立てているのかが散発的に描かれるのですが、そこでの彼の様子が少し変。会話には生気がなく、目も虚ろ。パッと見ただけで「何か問題を抱えている」ことが分かります。

とはいえ、それは分かりやすい「不自然さ」ではなく、あくまでも社会に「適応した」うえで、その社会に「居場所がない」ような異物感。そのバランスを保った佇まいに、ケイシー・アフレックがこの役にかける気合が伝わってきます。

物語の主役はこのリー。彼が抱える問題とそのあらましが物語が進むにつれ明らかになっていく構造になっています。

 

■静かでゆっくりとした時間経過

兄の訃報を受けて地元に帰るにことになるリー。彼の地元が「マンチェスター・バイ・ザ・シー」という都市であることがここで初めて分かります。この静かな田舎町は、ボストン市民にとっての静養所となっている場所。どこかのどかな雰囲気があります。物語もそんな街の雰囲気に倣ってか、どこかゆっくりと進んでいきます。映画開始からかなり時間が経過しても、目に見える事件は起きません。ただこの町でのリーと甥っ子のパトリック、その周りの人々の日常が淡々と描かれていくのです。もしかしたら人によってはこの「何も起きない時間経過」が辛さを感じる要因になるかもしれません。

 

■継続する緊張感

一件静かに見える物語。しかし合間合間に挟み込まれるリーの「フラッシュバック」が物語に対する没入感を失わせません。彼自身が回想する「過去の自分」を見る限り、リーは元々「明るい性格」の人物でした。家族との関係も良好な「普通」の父親だったはずのリー。そんな彼がなぜ「現在の人柄になってしまったのか」。そのきっかけとなる「事件」がジワジワと明かされていくこともあって、物語は常に緊張感を保っています。

また、リー自身の「不安定さ」も、我々に緊張感を強います。酒場では誰彼かまわず喧嘩をふっかけるリー。彼は「他人からの視線」や「陰口」に酷く怯えています。また長らく会っていなかった甥っ子であるパトリックの「後見人」を務めることになったことも、彼を精神的に追い詰めていきます。

「不安定」なリーがいつ「爆発する」かは誰にも予見できません。だからこそ、リーが画面に映っている間、我々は常に緊張を強いられることになります。(実際リーが突如として”キレる”シーンも何度か挿入されます)

この「緊張感」は計算された演出のように思います。物語の中心テーマとしてある「ほんの些細なきまぐれや不注意が人生を狂わせる」ということを象徴させるようなモチーフが、ところどころに登場するからです。その際たるものが「車」であるように思います。

 

■多用される「車内」映像

本作で印象的なもののひとつが「車内」映像の多さです。田舎故に「車」での移動がマスト、自然と「車内」での会話シーンが増えるのは仕方ない部分もありますが、とはいえその登場回数の多さは群を抜いています。パトリックと共に最初に病院に向かうシーンでは、ちょっとした言葉の行き違いからパトリックが車を下りる瞬間に車を発車させようとして、あわや事故に!というシーンがあるように、「リーの不安定さ」は「車の運転」にも如実に現れています。

とかく急発進や急ブレーキを使用したり、よそ見運転をしたりする彼の運転を間近で見せられることは「もしかしたらいつか車で大事故が起きるのでは?」という想像を働かされます。(結果としてこれはミスリードに終わりますが)

先ほども触れた「ほんの些細なきまぐれや不注意が人生を狂わせる」というテーマ。その中には「車の運転ミスによる過失事故」というものも含まれます。監督の前作「マーガレット」では、「それ」が「物語の起点」になることを考えても、この執拗な「車」映像の多用も意図的なものでは?と思えます。

 

■赦しではなく、断罪されたい男。

自身の「うっかり」ミスによって、信じられない「大参事」を引き起こしてしまったリー。彼の「心が壊れてしまった」のは、そのことがきっかけでした。しかし「うっかり」ミスだったことで、彼は「罪に問われず」結果として「誰からも罪に対する裁きを受けられない状況」になってしまったことが、物語中盤に明かされます。

自殺してしまいたいほどの「罪」を抱えながら、彼が自殺できないのは、恐らく自殺すら「自らに赦しを与える行為」だと考えてしまっているからではないでしょうか。それほどに彼の心に巣食う闇は深く、重いものです。

物語終盤。ある重要人物から「赦し」を得るリー。しかし彼はそれを全くもって受け止めきれません。彼が欲しいのは「赦し」ではなく、「断罪」なのです。強いて言うのなら「断罪」のみが彼にとっての「赦し」になるのです。しかし、それを与えてくれる存在は、今はどこにもいません。

 

■兄が与えた「断罪」

ここでふと思ったのは、兄がリーに残した遺言とは、「赦し」ではなく「断罪」だったのではということです。不治の病に侵され、余命5~10年と診断されていた兄。彼がリーに全く相談することなく、自身の息子の後見人にリーを据えたのは、彼を「罪を背負った街」である「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に引き戻し、改めて「罪と向き合う時間」を作らせる為だったのではと思えるのです。

彼にとって「他者からの赦し」は真の意味での「赦し」にはならない。彼にとって大事なのは、「自分の罪」と向き合い「自分自身を断罪」し「自分自身を赦すこと」なのだと兄は気づいていた。だからこそ、彼をこの街に引き戻す方法を算段した。そんな風に思えて仕方ないのです。

 

■救いもない、赦しもない、ただ「解」はある。

映画は最後に至るまで、リーに分かりやすい形での「赦し」は与えません。ただし、自らの「罪」と向き合ったことで、彼は改めて自分自身の「傷」が癒えないことを自覚し、その上でほんの少しだけ「前に進むこと」が出来るようになります。

その「解」が「新しい家」であり、そこに甥っ子であるパトリックが「遊びに来る部屋を用意する」ことでもあります。

「人生はオペラではない」これは監督の前作「マーガレット」の中で使用された台詞とのことですが、

(詳しくは下記にて町山さんが解説されています)

tomomachi.stores.jp

正しくその思想を反映するように、この作品のエンディングにもいわゆる「劇映画的」な「感動のエンディング」は用意されていません。ただし、それで良いのです。

この映画に限らず、多くの人が多かれ少なかれ「罪」を背負って生きているはず。そしてそれらの「罪」には、分かりやすい形では「赦し」は与えられないし、「断罪」もされません。そうなればこの作品のリーのように「罪」を「癒えない傷」として受け入れた上で、進んでいくしかない。そんな「解」を与えてくれる作品でした。

静かで、何も具体的な事件が起きないこの映画が、それでいて「深い感動」を与えてくれるのは、そんな我々の人生においても「普遍的なテーマ」を伝えてくれているからだと思うのです。

個人的には今年見た中では「沈黙-サイレンスー」に並ぶ傑作でした。おすすめです!

 

Fateの話をしようじゃないか、という雑談(後篇)~「エミヤシロウ」の「Brave Shine」~

※注:本文は「Fate/stay night」および「Fate/hollow ataraxia」「Fate/Zero」更にはTYPE-MOON作品に関してのハッキリとしたネタバレが含まれているので、同作品を未プレイ・ならびに「これからプレイしようとしいる人」はまず、一通りプレイしてからお読みいただけると良いと思います。

 

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] Blu-ray Disc Box ?【完全生産限定版】

Fate/Stay night」という作品は、セイバーをヒロインとする「Fate」、遠坂凛をヒロインとする「Unlimited Blade Works」、間桐桜をヒロインとする「Heven's Feel」の3篇にて構成されている。

「ストーリー忘れちまった!」という貴兄は下記にて簡潔にまとめられているので、参照されたし(当然ネタバレ全開なのでお気を付け下さい)。

gamy.jp

衛宮士郎の「歪み」

全てのシナリオで共通しているのは、主人公が衛宮士郎である...ということ。それだけでなくシナリオを進めるたびに士郎という人が「どういう人物」であるのかが明らかになる。それと同時に彼が抱える「歪み」が明らかになっていき、同時にそれに対する「解決策」を見出していく...という構造になっている。「士郎は主人公ではなくメインヒロイン」なんていう名言も昔あったけれど、言い得て妙で各エピソードにおいて、其々のヒロインと触れ合うことが、彼自身に「救い」を与えていく。そういう独特なシナリオ構造がこの作品にはある。

士郎が抱える「歪み」とは「正義の味方になる」という目的に起因する。義父であり、自分の命を「救ってくれた」衛宮切嗣から託されたこの「願い」は、切嗣が考えるよりももっと「重要な事柄」として士郎には捉えられてしまった。「冬木の大火災」によって「生き残った」彼は「生き残ってしまったことに苦しみを感じる」「サバイバーズズギルド」に苦しんでいる。その苦しみは、本来であれば「息をしているのを苦しく」感じるほど。士郎のそういった現状は、実はアニメを見ているだけでは、分かり辛い要素だったりする。

TYPE-MOONエースvol.9のインタビューによると士郎はきのこ氏曰く「壊れている奴」「士郎は人間にあこがれているロボットみたいなヤツ」。

  • そもそも生きるのが辛い人間。本来は息をしているだけでも苦しい人間がどうにかして人前で笑顔を作ろうとしているというのが「Fate」の根幹にはあると三浦氏(監督)に語ったそうだ。また最初に絵コンテを上げたときに「士郎をあまり幸せそうにみせないでほしい」とも三浦氏は言われたらしい。天涯孤独の身ではありますが、大河や桜といった心許せる人たちに囲まれて、充実した生活を送っています。しかし、そんな状況にあっても真に満たされてはいないことを匂わせてほしいと。

    衛宮士郎 - TYPE-MOON Wiki

「自分の人生」に「意味」や「目的」を見出せない。故に切嗣から与えられた「正義の味方」という「生き方」に固執する。 「自らの生」へ執着出来ないから、「他者の生」に執着する。「自分の為に生きる」のではなく「他者の為に生きる」ことを突き詰めようとしてしまう...。そんな彼の「あり方」までは切嗣も読み解けなかった。(とはいえそんな彼の在り方はセイバー=アルトリアと近くもあり。故に彼とアルトリアは"最も愛称の良いコンビ"とも呼ばれるのだろう。まま、それはまた別の話。)

結果として切嗣の「願い」を100%引き受けた彼は「正義の味方になる」ため「自分以外の誰か」を守り続け、最終的には「英霊」にまでなってしまう。「アーチャー=エミヤ」と「衛宮士郎」の対峙。それもまた「Stay night」という作品における重要なパートの一つとなっている。「自分自身のあり方」そして「その行く末」と対峙する事は、正しく「自問自答」と言い換えても良いだろう。全3章の中でも2章「UBW」が最も高い人気を誇るのも、この章に主人公たる「衛宮士郎」の凡そ全ての要素が詰まっているからだろう。

■「エミヤ」と「士郎」を分かつもの。

「自分自身=アーチャー」との対峙が最大のポイントとして設定されているのは第2章にあたる「Unlimied Brade Works」。この章では初めて「アーチャー=エミヤ」であること、そして何故「士郎」が「エミヤ」という「英霊」になったのかが明かされる。士郎が「正義の味方」になることを追い求めた結末としての「英霊化」。「英霊」になるということは「世界の守り人」として永久に「使役」される羽目になるということ。しかし士郎は「正義の味方になること」そして「恒久的な世界平和」を実現するために、それを受け入れる。

しかし使役される度に無駄な戦いを繰り返し「世界平和」という理想へとたどり着けない現実は士郎の望んだ「願い」とも「希望」ともほど遠いものだった。「自分勝手な都合」で争いを始め、いざとなると平然と自分を裏切る「勝手な人間たち」にうんざりする日々。数千回、数万回と繰り返される争い、それに加わる自分。叶わぬ「願い」。いつしか英霊「エミヤ」は、望んだ「願いを諦めた」。そしてこの「輪廻」へと追い込んだ自分自身を「恨む」ようになる。英霊「エミヤ」の願いは、過去の「自分を殺す」ないしは「説き伏せて夢を諦めさせること」に変わった。何度となく英霊として使役される中で、いずれ「自分自身と出会う日」を待ちわびながら。

UBW」は士郎が「エミヤ」との問いかけを通して自らの夢の「矛盾」や「未熟」さに気付きながら、改めてそれを「再肯定」するまでを描いた物語。とはいえ、ただ「再肯定」するだけでは士郎は「エミヤ」と同じ道を辿ってしまう。そこで重要になる要素は遠坂凛だ。

・士郎は凛が側にいる限り、エミヤになることはないとされている。つまり、どのルートでも凛と決別しない限り、その後に士郎がエミヤになることはない。またこれは、アーチャーにとって凛に召喚されたことが、遠回りではあるが救済となった事を意味する。逆に言えば、凛に召喚された彼は、生前は凛と決別したということになる。

エミヤ - TYPE-MOON Wiki

 英霊となったエミヤと士郎とは、既に「別の人間」なのだそうだが、「エミヤとなる前の士郎」も「凛には出会っている」らしい(ややこしい)。にも拘わらず彼が「英霊」となってしまったのは、どこかのタイミングで「凛と袂を分かったから」と思われる。「UBW」では「エミヤ」と「士郎」とが幾度となくぶつかり合うなかで、両者を分かつ鍵が「凛」であることが明らかになる。その中で「エミヤ」は、「士郎」が「凛」と離れる事が無ければ「自分」にならない事を理解し、「自分自身」のこれからを「凛」に託して消失する。とはいえ「エミヤ」の運命は何も変わらない。「人類の守護者」である枷は未来永劫エミヤを縛り、彼は争いが起こるたびに使役される。それでも自分自身の人生を呪わず肯定できるようになったからこそ、彼は「UBW」のラストシーンで

「それでも───俺は、間違えてなどいなかった───」

と自分自身を認めることが出来るようになる。それは「士郎」にとってだけでなく「エミヤ」にとっても凛との再会が「救い」となったことを示す証明でもある。

 

■「Brave Shine

アニメ版(2014~2015年版)「UBW」の主題歌として採用されたAimerの「Brave Shine」。「自分自身の声が出なくなった体験を元に詩を書いた」と彼女は語っていたが、それだけでなく明確に「UBW」の世界観が反映された素晴らしい歌詞だと感じたので、ここではその歌詞を解体してみたい。

”左手に隠した 願いは願いのままで
覚めない幻見てた
右手には空の記憶 誰もしらない世界の果て
やまない雨にうたれていた”
 
唄い出し部分。
注目したいのは「左手」と「右手」というモチーフ。ご存じの通り「アーチャー=エミヤ」は「弓兵」のサーヴァントでありながら「剣製」に特化した自身の魔術適正を反映させて干将(かんしょう)・莫耶(ばくや)という夫婦剣を主な武器として使用する。それぞれ陽と陰の性質を持つこの双剣はエミヤと士郎を象徴する存在。また同一人物でありながら「相反する」「理想」を持つ「エミヤ」と「士郎」の抱える「対立」や「矛盾」を象徴する存在でもある。
また「Heaven's Feel」篇において左腕を失った士郎は、アーチャーの左腕を自分自身に移植することになる。そう考えれば「左手」は「エミヤ」の視点、「右手」は「士郎」の視点という風にも受け取れる。
「左手に隠した願いは願いのままで 覚めない幻(ゆめ)を見てた」
とはまさしく「エミヤ」が歩んだ道のりに似ている。「世界平和」=「願い」を抱えて、「英霊としての日々」=「覚めない幻(ゆめ)」を見ていたのは、英霊となったばかりの「エミヤ」だろう。
「右手には空の記憶 誰もしらない世界の果て やまない雨にうたれていた」
衛宮士郎」となる以前の記憶を意図的に「消失」した士郎。故に彼は「空の記憶」を抱えている。「世界の果て」とは極東である日本。「やまない雨」は「冬木の大火災」時に士郎が切嗣に発見された際の天候と一致する。
 
”守りたいものを守れる強さ
それを信じられなくなる弱さ
すべてを受け入れて 未来を探す”
 
「守りたいものを守れる強さ」と「それを信じられなくなる弱さ」は「エミヤ」が併せ持つもの。それらを「すべて受け入れて」「未来(あした)」を探すのは「士郎」の視点。
 
Brave shine 手を伸ばせばまだ
Stay the night 傷だらけの夜
You save my life かざした刃の先に想いを重ねた
祈りは時を超えて”
 
「Stay the night」はもちろん「Fate/stay night」にかけたもの。「かざした刃の先に想いを重ねた」のは「士郎」とエミヤ」。それぞれの「刃」を重ねることで、それぞれの「想い」を理解した彼ら。その祈りは「時を超えて」果たされることになる。
 
”光ること忘れた 青い星が残してく
消えない影見てた
すれ違う赤の軌道 何も知らない子供のまま
明けない夜を彷徨ってた”
 
「青い星」に関しては厳密には分からないが、「青」が連想させるのは「セイバー」。同時に「赤の軌道」は「赤」がイメージカラーの「凛」を思い起こさせる。「エミヤ」は「士郎」と同じく第5次聖杯戦争を体験していることから考えて、彼が「過去」を思い起こしているようにも思える。「何も知らない子供」とはかつての「自分自身」と捉えられる。
 
”失くせないものを失くした弱さ
何も信じられなくなる脆さ
立てなくなっても 運命は進む”
 
「失くせないもの」とは自分自身がかつて頂いた「理想」。それを「失くし」「何も信じられなく」なったのは「エミヤ」。しかし彼が「立てなくなって」も、「サーヴァントとして使役される」「運命(さだめ)」を覆すことはできない。
 
”Break down 崩れ堕ちてゆく星座が 傷つけあう夜
You're breaking dawn 交わした約束の中に
独りを支えた確かな理想を添えて”
 
「交わした約束(ことば)」とは切嗣と交わした約束だろう。「じいさんの代わりに正義の味方になる」。それは独りぼっちの士郎にとって、その空虚を埋める要因となった。「確かな理想(ゆめ)」とは「正義の味方になる」という「夢」。また「理想」と書いて「夢」と読ませるのは、士郎の体内に埋め込まれたエクスカリバーの鞘「全ては遠き理想郷(アヴァロン)」を思い起こさせる。この鞘の存在が、士郎をセイバーへと引合す運命のきっかけとなることを考えても、この歌詞は意味深だ。
 
”守りたいものを守れるのなら
すべてを受け入れて 未来を探す
夜明けを灯す”
 
「守りたいものを守れる」可能性。自分が「英霊」とならずに「正義の味方」を目指す「未来」。それがあるのなら、自分の運命を「受け入れて」新たな「未来(あした)」を探すことが出来る。士郎との対峙、凛との邂逅から得た「エミヤ」の解。それは二人の「夜明けを灯す」こと。ギルガメッシュにとどめの一撃を加え、士郎を守ったエミヤ。彼は自らの運命を受け入れ、士郎の後身を託しながら、笑顔で凛に別れを告げる。朝焼けの中で。
 
Brave shine 手を伸ばせばまだ
Stay the night 傷だらけの夜
You save my life 重ねた涙の果てに光を見つけた
祈りは時を超えて
 
「英霊」としての日々に戻った「エミヤ」。彼は未だ夜の中で戦い続けている。しかしそんな変わらない日々でも彼は「見つけた」「光」を胸に戦い続ける。
「見つけた」「光」とは、凛のこと。彼女と共にある限り「士郎」は「エミヤ」にはならない。それは「士郎」を、ひいては「エミヤ」を救うことになる「光」。故に「エミヤ」は「You Save my life」と語りかける。そして「エミヤ」は「光=凛」へと「希望」を託す。彼女が放つBrave shineに願いを託して。英霊として彷徨う中でようやく見つけた「希望の光」。だからこそこの歌詞は「My brave shineという言葉で閉じられる。「それでも───俺は、間違えてなどいなかった───」
そう彼が自分自身を認めるために必要だった「光」。それを手にしたことで、この物語は終わりを迎える。
 
というわけで、3回に渡ってFateのお話をさせていただきました。とりとめのない内容ですみません。足りない部分などは、気が向いたときに加筆修正していきます。