-Death On The Stairs-

So baby please kill me Oh baby don't kill me 浦和とかサッカーとかサブカルとか。

浦和レッズ2016のまとめ と 2017展望

尊敬するブロガー様に倣い、セルフインタビュー形式でお送りいたしますw

 

ーまずは2016シーズンの感想をざっくりと。

ACL、リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯と4つのタイトルを戦って、ルヴァンカップを制覇。リーグ戦は勝ち点74で年間1位。ACL天皇杯は共にベスト16進出もPK戦で敗退。最後の最後の1戦で印象が良くないのも確かですが、個人的には十分満足といえる1年だったという気がします。今は。」

 

ー本音のところを簡潔に。

「ええ加減きっちり締めてくれないと、胃痛で死ぬ。」

 

ーレギュレーションにはやはり不満が?

「いかに糞みたいなレギュレーションでも、シーズン開始前に確定している以上、そこにアジャストせねばなりません。どれだけ不満に思おうが、そこで結果を出せない限り何も言えませんので。」

 

ーこちらも本音は。

「勝ち点差15って5ゲーム分なんすけど、それが無になるってどういうことなん(迫真)?」

 

ー4シーズン目となったミシャ政権ですが評価は。

「1年目を除いて、やっていることに大きな変化はありません。強いて言うなら選手の起用法・守備のやり方に一定の進歩はあった気はします。」

 

ー選手の起用法の変化とは。

「今までは自分の要望で獲得した選手でも、一定の水準に達しない限りは起用を避けてきました。今現在もその要素は十分に残ってはいますが。とはいえオリンピックを含めた過密日程の影響で、起用する選手の枠を自ら拡大せざるを得なくなった。その中で高木や駒井といった若手選手を積極的に起用し、彼らがある程度モノになりました。実のところこの二人はシーズンの戦力として非常に重要だった。終盤に李や宇賀神が負傷した穴を彼らが埋めたわけですから。」

 

ーとはいえ高木、駒井はミシャの基準に達したわけではない?

「自分はミシャ本人ではないのでハッキリとした回答は示せません。ただ、恐らくこの二人はまだ合格点には達していない感はあります。例えば高木は個人としての技術は高いのですが、反面浦和のシャドーに求められる『トランジションとしての仕事』を十分にこなせていない。駒井は1対1の体勢でこそ真価を発揮するアタッカーですが、1対1になる前からドリブルを仕掛けようとする気がある。ポジショニングに修正が必要なんです。

あとこれは完全に余談ですけど、”小柄なアタッカー”ばかり取るので、ミシャはそういう選手が好き・・・というレッテルを貼られることが多いですよね。ただ、僕個人としては単純に”スキルフルな選手”が好きなんじゃないかな?と思っています。で、その水準に合わせて獲得した選手が”小柄である”というだけのような気はしてます。『卵が先か、鶏が先か』みたいな話ですけど。だからまぁ同じポジションで、同じ仕事が出来そうな、サイズのある選手がいたら普通に取りに行くわけです。それがラファ・シルバや菊池じゃないかなと。」

 

ー守備のやり方の変化とは。

「1年目はリトリート。翌年から主導権を取るべく積極的なプレッシングを試みていますが、2~3年目は世界的な『ゲーゲンプレッシング』流行の影響を受け過ぎて、自滅しました。特に夏場はダメだった。今年はちょっと冷静になったというか。もちろん奪われたら『即時奪回を目指す』という狙いは変わらないのですが、相手がボールキープしている時にやみくもにプレッシングを掛けにいく...というシーンは減りました。前線がファーストディフェンダーとなる、ボールを軸にした守備が出来ていたような印象があります。それが年間勝ち点1位の要因にもなっているかと。」

 

ーもう少し詳しく。

「以前までは『即時奪回』に拘るシーンが目立っていました。それも病的に。『奪われたらすぐ奪い返す』をお題目のようの唱え、実行していました。もちろん実れば問題ないのですが、実際には人数をかけたプレスが外され、その裏に空いたスペースにパスを通される…という目を覆いたくなるようなディフェンスが散見されました。何故そんなことになるかと言うと、浦和の可変システムとゲーゲンプレッシングの相性が良くないから...だと思います。」

 

ー相性とは。

「浦和は攻撃時と、守備時でシステムを変えるチームである・・・というのはもはや説明不要とは思いますが一応以前作った図をここでも再利用しましょう」

基本形 3-4-2-1

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攻撃時4-1-4-1

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「守備時には基本形に戻して、実質3バック+2WBでガッチリ守る。攻撃時には4バックに変更して、中盤をあえて空洞化させ、前線に厚みを与え、敵陣でのポゼッションを高める...という狙いがあります。この辺の切り替えはオートメーション化してはいますが、あくまでも『ボールが切れた段階』で切り替えるのが原則になっています。

ただし問題となるのは、(当たり前ですけど)守備のシーンでは必ずしも『基本形には戻りきれない』事が多々起こり得る...ということ。攻撃時全てのシーンをシュートで終われればその限りではないのですが、どこかしらでパスを相手にインターセプトされたり、ドリブルをカットされるシーンが当然出てくる。そうなると...」

 

ー『攻撃型』布陣のままで守備をする必要があります。

「一見して分かる通り、浦和の攻撃形は中盤が空洞化しています。ポゼッションを取っている段階では、前線5枚は横並びで、バイタルエリア付近にいることがほとんどです。すると、もしもボランチの位置からのボールをパスカットされた場合、空洞化した中盤(柏木の両隣)に容易にパスを出されてしまう。」

 

ーリスクが高いと。

「この事態は攻守でフォーメーションを切り替えるからこそ起こるエラーです。これを防ぐ選択肢は数パターンありますが、これまでミシャが選択していたのは、『即時奪回』を基本とした『プレッシング』でした。プレッシングを選択するメリットとしては、もしも前線のプレスでボールが奪えればそのまま攻撃が続行できるという点。或いは奪うまでいかずとも『相手のカウンターを止める』か『ボールを切る』ことで、フォーメーションを戻す時間が取れることです。」

 

ーしかし、実際にはプレスが外されての失点も多かった。

「結果的には十分にプレスのかからないシーンも多かった。故にその弱点をピンポイントで狙われて、カウンターから失点という形が相次いだのが2015シーズンでした。」

 

ーそれは何故?

「プレスの実行レベルが低かった...と言わざるを得ません。戦術というよりも、『個人の感覚』と『頑張り』に支えられているようなプレス守備だったので。例えばファーストディフェンダーが既に縦のコースを限定しているにも関わらず、もう一人のディフェンダーが同じコースに入ってしまい、相手に中央へ展開される余地を与えてしまったり逆もまた然り。『奪いたいのか、切りたいのか』がはっきりしない守備になって、そこの隙を突かれている印象がありました。本来プレスに関与しなくてもいい選手まで引っ張られ、結果的に柏木の横以外にもスペースを作ってしまったり。」

 

ー槙野が上がりすぎていて、左サイドの広大なスペースを悠々とカウンターに使用される、という悲しいシーンもありました。主にガンバのパトリックに。

「そういうことがこのチームでは起こり得るわけです。何故ならチームがボールを持っている際には、『前線で数的優位を生かして、ポゼッションを展開すること』...を求められるからです。守備的なリスクを背負ってでも繋ぐ。前線の人数よりも、相手の人数が多いと踏んだら、後ろの選手たちも参加して、敵陣でのポゼッションを継続することが求められます。ということはなんとしてもシュートで終わる、あるいはボールを切るプレーで『常に自分たちの時間で終わらせること』が大事になります。しかし、それを90分続けられるチームは世界的にも稀有でしょう。ということはプレッシングを戦術として体系化するか、あるいはリトリート含めたリスクマネージメントを考えるほかない。」

 

ー2016年に関しては、そこに一定の進歩があった。

 「戦術的な進歩とはちょっと違いますが。先ほども書きましたが、やみくもに飛び込まなくなったし、群がらなくなった。パスミスが相手にわたってしまった場合には、ボール保持者に対峙するプレイヤーがファーストディフェンダーとなって獲りに行く。これ自体は変わっていませんが、プレイの優先事項としては『ボールを奪回すること』というよりも、『相手に前にボールを出させない事』に変化していました。またファーストディフェンダーをむやみにフォローしようとする選手も減り、まずは自陣への回帰を進め、ボールを獲れそうな追い込み方かどうかを見極め、『獲れる』と踏んだならばフォローにいく...など、守備に関する取捨選択が明文化していました。」

 

ーそれはミシャの指導?

「すみません。そこが今一つ分からないのですが、相手がボール保持している場合のゾーンディフェンスの方法などは、定石通りのものでもあるので、何かしらの指導強化はあったのでは?と思います。ただし、終盤の試合...特に大事な試合になればなるほど(ルヴァンカップ決勝ガンバ戦・最終節マリノス戦・CS鹿島戦など)以前の悪癖が露呈し、同じパターンで失点を繰り返してしまいました。ですので、戦術としての徹底が為されていたのかは怪しい部分もあります。とはいえサッカーはピッチで選手がやるもの。厳しい局面と焦りから、選手本人に旧来の悪癖が出て、そのような守備方法を取ってしまった可能性も否めないので、一概に監督の責任...とも言い切れないのですけど。ただ結果的に2016年の最も勝たなければならない試合でそれが出てしまったので、勝負弱い監督...というレッテルを拭うことが出来ませんでした。なんとも残念です。」

 

ーピッチ外に関しては。

三菱自工のゴタゴタで散々煽られたりしたわけですが、その動揺がピッチ上には反映されなくて助かりました。うまくマネージメントしてくれた淵田さん始め経営陣には敬意を示したいです。逆に淵田さんは胃の痛い日々だったでしょうけど。」

 

ーサポーターとして今回の件はどのように見ていましたが。

「そもそも犬飼社長時代に、三菱とは一定の距離感を取る取組をしている事を知っていたので、古株のサポーターほど動揺しなかったのではないでしょうか。『広告料』という名目で多くのJリーグチームが受けている『赤字補てん』契約に関しても、『うちは赤字無いのでいりまへん。もっとお金くれるスポンサーに広告枠使います』と突っぱねて、自工の人間に歯ぎしりさせた一件とかリアルタイムで見ていたので。逆に煽ってくるマスコミとかを見ながら『ホント、メシのタネが無いのね』と思っていました。」

 

ー補強に関しては。

 「ほぼほぼ期待通りの活躍でした。遠藤は即戦力の期待通りの活躍。駒井も終盤には定位置を奪取しました。イリッチに関しては残念なアレですけども」

 

ー課題に関しては。

「前述しましたが、やはり老朽化してきた可変システムでしょう。ここに手を入れない限り、新たな一歩は見えないと思います。」

 

ー老朽化とは。

「元々はフォーメーション界で圧倒的マジョリティだった4-4-2を攻略するために考案されたシステムだったわけですが、今では『多数のシステムを併用する』チームが増えた。よって浦和に抵抗してシステムを変化出来るチームが普通にあるわけです。その中でこの可変システムを使用していくメリットが少なくなっています。」

 

ー数少ないメリットとはどのようなものでしょう。

「相手が自分のチームのシステムに合わせる...ということは、相手の形をこちらが強制できるということでもある。相手のシステムをコントロールできる...というのは使い様によってはメリットになり得ます。あるいは相手をこちらの形に沿わせることで、精神的優位に立てる...という目に見えないメリットもあるかもしれません。

あとは相手を自陣に追い込むことで、ポゼッションを確保できるくらいですけど、準備万端の相手エリアでポゼッションすることに、現代サッカー的にはまったく旨味を感じません。いかに早く敵ゴールに近づくが近年ポイントになりつつありますからね。

ただ、問題なのはミシャが『相手陣でポゼッションを取ること』に『旨味』を感じているところです。。」

 

ーというと?

「年度頭にミシャが所信表明を出すんですが、そこに昨年のベストゲームが1stステージの横浜戦と書いていまして。その理由が『相手陣内で最もゲームを支配したゲームだから』と言ってるんですよね。」

www.urawa-reds.co.jp

今シーズン、戦い方としては、相手のピッチで攻撃も守備も試合を進めたいと思っています。自陣でプレーする時間を少なくした戦い方を考えています。昨年のアウェイの横浜F・マリノス戦は0-0で終えました。見方によってはマリノスがいい守備をしたというのがあったのは私は残念でした。私はあの試合に見えたものは、監督をしていてベストに近いと思える試合でした。あの試合、マリノスは確かコーナーキックがなかったと思いますし、おそらく我々のピッチでのフリーキックもほぼありませんでした。そしてシュートも記憶がある限る1本か2本だったと思います。80パーセントくらい相手ピッチでのゲームでした。やはり内容、精度の部分では、もう少し求められるものがあってもよかったと思いますが、試合をするにあたって、我々の意図、やり方というものは、非常に興味深いものがありました。あの試合、マリノスが無失点で抑えたということで、マリノスの守備を評価する方も多かったと思いますが、私が見る限り、良い守備をしていたのは、むしろ我々だったと私は評価しています。相手ピッチでボールを奪い、攻撃を仕掛けることを繰り返しすることができました。自陣にリトリートして、ブロックを作って守るのがいい守備だと思われがちかもしれませんが、今のサッカーのトレンドを見ても、いかに相手ピッチでボールを奪うかということ思います。

コンビネーションの精度、フィニッシュの精度というものは上げていかなければいけないと思いますが、あの試合のように、相手ピッチでボールを奪うことを常にできるようなチームになっていけば、今シーズンも我々にとっていいシーズンになるのではないかと思います」

 「まぁこれはあの試合に対して不満を示したり、マリノスの守備を褒めたりしたマスコミに対しての意趣返しという印象が強いんですが(笑)。ただこの理屈の根底にあるのは『相手陣内でポゼッションしてんのやからええやん』といういわゆる『糞ポゼッション』に対する信仰でして。それに対してはうう~ん、と言わざるを得ない感じはあります。」

 

ーもう少し詳しく。

「先ほども書いた通り、現代サッカーでは『いかに相手のゴールに早く近づくか』ということが重視されています。それに倣って守備戦術も発展し、いかに『良い守備」をしてそこから『時間をかけず』に攻めるか。要するに『攻守の切り替え』が重視されています。と、なると遅攻では単純に間に合わない。相手ゴールに近づくまでに余分なパスを2~3本使うだけで、相手は守備ブロックを構築できてしまいますから。まだJでは未発達ではありますが、これからどんどんと『素早く、なおかつ正確に攻守を切り替える』チームが増えていくはずなので、より一層考え方を変えていかないといけないと思います。ただ浦和に関しては今後どうなるのかはまだ良く分かりません。」

 

ーそれでは続けて来季の展望を。まずは補強から。

「相手に対策された際の手数が少なかったので、それ用の選手を補強したという感じでしょうか。フォーメーション選択の柔軟性が無いに等しいので、逆に状況に応じてそれにあった選手を入れて何とかしようという感じだと思います。

ラファエル・シルバはカウンター時のスピード、オナイウは放り込む時のターゲット。長澤は武藤、矢島は柏木、菊池は関根・宇賀神のそれぞれバックアッパーです。もちろんそれ以上の可能性を秘めた選手たちだと信じていますけども。特にオナイウとか、うちのFW陣には無い武器をもった選手なので、非常に期待しています。

本当は戦術を改革することから考えてほしいです(笑)。とはいえ攻撃が手詰まりになった際の手を考えてくれていることに関しては良かったなぁと。」

 

ー戦術に関しては。

「キャンプの情報を見ている限りでは、大きな変化はないでしょう。まがりなりにも昨年は勝ち点1位ですので、大きく変化させる必要は無いんでしょうけど。

ただ練習試合とかの情報を見ていると、ラファ・シルバの1トップに興梠、武藤のシャドーを試しているのが興味深いですね。先ほど指摘したとおり、現行システムの難点は攻撃時に柏木の両脇が空いてしまうことです。そこを誰かがカバーしない限り延々とこの弱点を相手に突かれ続けます。そこをカバーすべきなのは、両WB・両SB・2シャドーのどこかになるはずですが、ミシャはシャドーにその役割を託すのかもしれません。

個人的には悪くない選択だなと思います。興梠・武藤ともにボールキープに長けていて、運動量も豊富、そして縦への意識が強い選手です。両選手ともに前所属チームでは攻撃的MFを任されていた時期もありますし、おそらくCH的な役割の適正も高い二人だと思います。二人が場合によっては低めの位置取りをとって、柏木からのボールを正確に前へと運ぶ役割を果たしてくれれば、より高いポゼッションが保障できると思います。ただし守備的なタスクを任せると二人の高い得点能力が存分に生かせない気はするので、良し悪しだとは思いますが。反面二人が攻守に走り回ることで、攻撃にダイナミズムが生まれる予感はあります。二人ともスペースを見つけて、そこに駆け込む能力は高い選手なので。またこういった役割をシャドーに課すようだと、李や長澤も十分に活躍できると思いますし、菊池のシャドーでの起用も見えてくる気がします。

またラファ・シルバも現在の面子では繊細な動き出しとボールタッチが必要なシャドーでプレーするよりも、相手の隙間を狙って動き出せる1トップの方が能力を存分に発揮できるかもしれません。今の所ポストワークも問題なくこなしているとのことですし。とはいえ、ポストワーカータイプではないので、味方が作り出したスペースを再三の動きだしで突っつき続けるのが主な役目になりそうですが。

ただしシャドーのポジションの選手が守備的なタスクをこなすようになるとすれば、WBの選手は、より攻撃で『決定的な仕事』をこなす必要性が生まれます。実質的には3トップのウィングのような役割になるはずなので。そうなると宇賀神・関根にはシュートの決定力も求められるわけですが、そこには根本的な意識改革が必要になってくる気はします。二人ともシュートの意識がそこまで高くないので。

もし、本格的にこのスカッドで戦うのであれば、思い切ってWGに得点力の高い武藤や、ラファ・シルバを起用して欲しいです。中盤で圧力を高め、奪ったら即両サイドに展開するような攻撃ができれば、アジアでも十分に戦えると思うのですが。」

 

ー最後にこのスタイルはいかがですか。

「噂通りこっ恥ずかしいので、もうやめます」