-Death On The Stairs-

So baby please kill me Oh baby don't kill me 浦和とかサッカーとかサブカルとか。

「魂の重さ21g、舞台少女の煌めき130g」少女☆歌劇レヴュースタァライト8話「ひかり、さす方へ」がドチャクソ良かったという話。 

gうわぁぁぁぁ「少女☆歌劇レヴュースタァライト」第8話「ひかり、さす方へ」がドチャクソ良かったんじゃぁぁぁ!!!

ということで、このパッションを思うがままに書きとめたい、というだけでこの記事を書いております。8話書いたから9話も書くとは限らないんでアレですけど。

いつもの「考察」とはちょっと違う「感想」記事ですけど、気を抜いてお読みいただけると嬉しいです。

※本稿は8話「ひかり、さす方へ」はもちろん、「レヴュースタァライト」のネタバレがバンバン入っております。予め視聴後ご一読いただくことをおススメいたします。

※あと、こんな駄文読むよりもアニメ本編を何度も見直す方が有意義ですとも言っておきます。是非「少女☆歌劇レヴュースタァライト」を見てください。よろしくお願いいたします。

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■神楽ひかり

物語序盤から「謎の人物」であったひかり。自ら積極的に「オーディション」という名のレビューに参加しながら、幼馴染である華恋が参加することは阻もうとする。

その行動の要因が謎だったわけだが、それ以上に謎だったのは神楽ひかりの「実力」。

招かれざる転校生。イレギュラーな存在。

明らかに「強者」的な立ち位置にいながら、第1話の純那戦では華恋の乱入がなければ「あわや」という事態まで追い詰められた。

劇中ランキングでも天堂真矢や西條クロディーヌ、大場ななに比べて目立たず、これまでしっかりと実力を示してこれたわけではない。

立ち位置に反して決して「強い」わけではないひかり。

その理由が最大の謎だったわけだが、この8話でようやくその理由の種明かしが為された。

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■オーディション

謎のシステムであった「オーディション」そして「レビュー」。

舞台少女の心の「煌めき」に舞台装置が反応し、より「煌めき」が強い舞台少女に「有利」な場が組まれていく舞台。その中で戦い「輝き」を奪い合う。それがレビュー。

一度敗れたとしても「オーディション」が続く限り何度でも参加可能なこの戦いに敗れた場合一体「何を失うのか」

ずっと謎だったその「失うもの」もこの8話で明らかになった。

幼き日に華恋と誓った「スタァになって舞台で再開する」という約束を守るべく英国音楽院で自らの実力を磨いていたひかり。

そんな彼女にもちかけられる「トップスタァ」への近道と言う名の「甘言」。

「オーディション」に勝ち抜けば、トップスタァとしての「煌めき」を手に入れることが出来る。

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キリンの言葉に従って「オーディション」に挑んだ彼女。しかし最後の最後に敗れ、「トップスタァ」への夢に敗れてしまう。

敗れた彼女が失ったのは「舞台にかける情熱」であり「舞台で示す煌めき」。即ち彼女がこの数年で磨いてきた全てだった。

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「オーディション」の仕組みとは要するに、参加者それぞれの持つ「煌めき」が意図せず賭けの対象とされ、敗者は自らの輝きを優勝者に渡さねばならないというもの。

「優勝者」が「トップスタァ」になれるのは、他の舞台少女の「煌めき」を根こそぎ「奪ってしまうから」に他ならなかったわけだ。

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それがこの「オーディション」というシステムだったのだ。

 

■失った130g

神楽ひかりが失ったもの。それは130gの「重さ」。

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体重42kgの少女が失った「130g」にどの程度の価値があるのか。

それは一概には分からないもの。

けれどもこの「重量」が、神楽ひかりが幼馴染との日々を捨て、「トップスタァ」となるために自らを研鑚する中で積み上げた「時間」と、その果てに手にした「煌めき」の「重さ」であることは確か。

人は死ぬときに21gだけ軽くなる、だから人の魂の重さは21gなのだ、なんていう科学実験もあったけれども、そう考えればこの130gにもずっしりとした重量感が生まれてくる感じもするのだ。

 

■残された煌めき

「煌めき」が失われてしまったことで、舞台に立つ「意味」も「情熱」も全てを見失ってしまったひかり。

そんな彼女に唯一残されていた小さな「煌めき」。

それは幼き頃に華恋と交わした「約束」だった。

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自分を「舞台少女」へと変えた、原初の「煌めき」。その小さな小さな「煌めき」を頼りに「舞台少女」としての自分をかろうじて取り戻したひかりは、オーディションの仕掛け人であるキリンへと迫る。

 

■キリン

オーディションで敗れたにも関わらず小さいながらも「煌めき」を残していたひかり。その事実はキリンにとっても「意外」であり、故にひかりの存在はキリンにとって「異端」でもあった。

キリンは再度ひかりに「オーディション」参加を呼び掛ける。

もしも「オーディション」で勝ち残れば、もう一度失った「煌めき」を取り戻すことが出来る。

その代わりひかりは残された最後の小さな「煌めき」を「戦い」に賭けなければならない。

この戦いに敗れた時、ひかりは本当に「舞台少女」でなくなってしまう。それだけでなく大切な「思い出」や「約束」までもを失う羽目になる。

ひかりにとっては「勝つしかない」戦い。

それを持ちかけるキリンが、英国博物館の骨格標本越しにその存在を露わにする。

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映画「サイコ」でも動物骨格は「死」や「死神」のメタファーとして扱われた。

こういった描写から、キリンという謎の存在の「正体」がじんわりとだが炙り出されていく感覚がある。

 

■ひかりの武器

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小さくなったひかりの武器。武器の大きさとは「舞台少女」の持つ「煌めき」に対応していたという事実がここで明らかになる。すなわち「武器」の「強さ」や「大きさ」はその「舞台少女」の「煌めき=実力」とも密接に関係していたわけだ。

登場する舞台少女たちの中でも極めて小さな武器を持っていたひかり。そして決して実力を示せていたわけでもないひかり。その「理由」がここで明らかになる。

彼女が「強くない」理由は「煌めき」の大半を失っていたからなのだ。

そして彼女の持つ武器とは、彼女が「舞台少女になろう」と誓った、あの日の「小さな決意」そのものの大きさなのだと分かる。

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ほんの小さな「希望」と「決意」を握りしめて、勝てる見込みの無い戦いへと挑むひかり。その姿を応援したくなってしまうのは致し方なしだろう。

 強く掲げた掌(てのひら)すり抜け

奈落に落としたあの日の誓い

再び上る運命(さだめ)の舞台

例え悲劇で終わるとしても....

九十九期生 神楽ひかり!

全ては スタァライトのために!! 

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掌から零れ落ちた武器を繋ぎとめる「鎖」。

その「鎖」はまさしく華恋との「約束」が具現化したもの。

零れ落ちそうになった「煌めき=剣」を「鎖=約束」が繋ぎとめる。

ひかりの武器自体がひかりの「小さな煌めきそのもの」を具現化した存在であるという事実。

その事実にとにかく痺れる。

そして 遂に披露されるひかりの”口上”。

「ひかりの物語」が明らかになった今だからこそ披露される、そして今だからこそ「突き刺さり」「痺れる」。

このシーンの素晴らしさだけでこの回に5億点を差し上げたくなってしまう。

 

■RE:CREATE

いよいよ大場ななとの戦いに挑むひかり。二人のレビューのタイトルは「孤独のレビュー」。レビューを彩る楽曲は「RE:CREATE」。

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直訳するならば「作り直し」

7話で明かされたように、大場ななは「自らの最高の舞台を再現する」ために、また「全ての舞台少女を絶望から救うために」「オーディション」で勝ち続け、その優勝の代価として何度となく同じ時間を「ループ」させ続けているというある種の「狂気」に駆られた人物でもある。

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また大場ななといえば大きな「孤独」と「絶望」を抱えた人物でもある(その理由は今だ謎)。そう捉えるとこの舞台はいかにも大場ななに有利な舞台であるようにも思えてくる。

しかし物語後半、この意味がガラリと反転していく。そこもまたこの8話の「気持ちよさ」に繋がっているように思える。

 

■大場ななの「強さ」

自らの「願い」を叶えるために「同じ時間軸を何度も繰り返す必要のある」なな。

彼女の願いはまっすぐに「歪んでいる」ものの、そのまっすぐさが彼女の「強さ」そのものにも繋がっている。

「願い」を叶えるために、もはや気が遠くなるくらいに戦い続け、勝ち続けてきたなな。彼女はもはや常に「最強の実力者」であるはずの天堂真矢を圧倒するほどに強くなってしまっている。

彼女の持つ「煌めき」はただひたすらに肥大化し、彼女は舞台少女の中では別格の「実力者」になってしまっている。「原初の煌めき」しか持たないひかりが軽く一蹴されてしまうのは当然で、舞台少女の「煌めき」に呼応する舞台もまた、ななに有利な場を作り上げていく。

圧倒的優勢なななが作り上げた舞台は、ひかりが自らの「煌めきの消失」を自覚した英国時代の舞台。

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あの時「失ってしまった煌めき」という事実に耐えかねておろしてしまった剣。そのトラウマがひかりに襲い掛かる。もはやなな勝利確実という最中に、華恋と交わした「約束」が「煌めき」となってひかりを奮い立たせる。

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舞台少女としての「全て」を失いそうになったひかりを、今この場に繋ぎとめているのは、「スタァライト」を始めてみたあの日の誓いがあるから。

始めはただ華恋の前でお姉さんぶりたいだけで、「舞台への渇望」なんてまるでなかったひかり。そんなひかりに「舞台への渇望」を与えたのは華恋。彼女が「二人でスターになってみんなをスタァライトしちゃおう」と言ったあの日。そこではじめて「舞台少女神楽ひかり」が生まれたのだ。

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ここで絶望に呑み込まれて、ななに敗れてしまったら、自分を救ってくれた華恋との「約束」を守れなくなってしまう。

今ここに再び「戦うチャンスを与えてくれた希望」をも裏切ることになってしまう。

だからこそひかりは頼りない小さな煌めきを手に再度立ち向かうことを決める。「もう負けない!」と叫んで。

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華恋との約束があるから「戦える」。

ひかりの中から「煌めき」が溢れ出す。

「孤独のレビュー」を「孤独ではない心」が乗り越えた瞬間、舞台はその「心」に応えて変化する。

武器もまたひかりの発する「煌めき」に呼応し、変化する。

レビューにおいて初の「第二幕」が発動する。

 

■華、ひらくとき

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ひかりの「煌めき」がななの「煌めき」を圧倒し、舞台は第2幕「華、ひらくとき(Blooming the star)」へと変化する。

小さくなってしまっていたひかりの武器。

元の大きさに戻るわけではなく、煌めきに呼応し、変形する。

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二人の夢が 開くわ

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第2幕のタイトルと同じように「星が花開いた」かのように変形したひかりの武器。

この形にひかりの武器が変形した...ということは、もはやひかりの勝利がこの舞台において「確定している」という印象を受ける。ここもまた痺れるポイントだ。

「煌めきの再生産」

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キリンの思惑を超えた部分で「再生」された「煌めき」。

レビュー楽曲である「RE:CREATE(再生産)」までもがひかりのための楽曲へと生まれ変わっていく。

逆境を自らの力で180度塗り替えていくシーンの快感たるやない。映像的な見せ場の美しさ・劇伴の素晴らしさ・そして何よりも「RE:CREATE」を歌唱する三森すずこさんの歌声の素晴らしさが物語への没入と興奮を高める。

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一緒に幼い日 植えた小さな種

大きく花開いゆく 星が導いた

もう負けない 諦めない 手を伸ばす君の方へ

逃げ出さない ナミダしない 約束の場所へ 

会いたかったよ 君にずっと 

もう一度 つなぐ星の絆 奇跡起こせる

 「同じ時間を繰り返す」という、確かに「絶望」はないものの、「未来」を描くことが出来ない「繰り返しの煉獄」へと誘う主である大場ななを、「二人で主役になる」という「不確定な未来」という名の「希望」を信じる神楽ひかりが打ち倒していく。

そしてその根幹となる力は、今この瞬間に生まれた「希望」であり「煌めき」である。

そういった文脈的な意味合いの素晴らしさを除いても、ここからのアニメ的な楽しさたるや無い。

ひかりのななに対する攻撃は正直冷静に考えると「よく意味が分からない」けれども、アニメとしての動きの気持ちよさが理屈を乗り越えて、「ひかりの勝利」を予感させる。

楽曲の盛り上がりとドライブするように、鎖を辿ってグワーっと画面内を回転するひかりの姿を見て興奮しない人がいるだろうか。こういうシーンを見ている時に一番「アニメっておもしれー!」となるのだ。それを思い出させてくれたことが何よりもこの8話の素晴らしいところだ。

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楽曲最大の「キメ」と呼応して、爆発する画面。ここも「分かっている」。

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ハラリと落ちるななのマント。

そしてひかりが初めて発する「ポジションゼロ!」の宣言。

あまりの完璧さに何度見ても震えてしまう。

「レヴュースタァライトの世界」の「楽しさ」をここまでハッキリと見せられてしまったら、もはやこの作品を追いかけざるを得ないだろう。

敗れてしまった大場なな。しかし彼女の「願い」は変わらない。全ての「舞台少女」を「絶望」から救うため、誰も「傷付かない」「奪い合わない」「煌めきを失わない」世界を「再生産」し続ける。

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一見狂っている大場ななの「願い」だが、その根幹には彼女の「優しさ」とそれ故の「思い」も潜んでいる。

このままいけばやがて華恋とお互いの「煌めき」を賭けて戦う羽目になる。果たしてそれで良いのか。

また華恋が言うように「二人でオーディションに合格する」などという未来があり得るのか。それも分からない。

ひかりはななに勝利したが、新たなな課題を抱えることになる。

 

■大場ななが改心しない理由

最後にちょっぴり考察っぽいことを。

大場ななは今回神楽ひかりに敗れてしまったわけだが、彼女が趣旨変えをすることはなかった。今後も彼女は「永遠」を「繰り返すため」に戦うのだろう。

大場ななの思考には「永遠に素晴らしかった過去を繰り返したい」という「歪み」と「狂気」があることは確か。

だがもう一つ大事なのは彼女が「オーディション」というシステムにおいて「傷付く舞台少女を生み出したくない」と考えていることも確かだという事だろう。

今回明らかになったように「オーディション」は非常に残酷な制度だ。

勝利した「一人」はあまねく「煌めき」を手に入れることが出来る。

しかしその代わり敗れた舞台少女は自らが元々持っていたり、努力の末手にした「煌めき」を完膚なきまでに手放し、「ただの人」になるしかない。

それが果たして「是」であるのか。ここに解答は出ていない。

ななが望むのは「全ての舞台少女が傷付かず、救われる世界」である。

そう考えれば、彼女の想いもまた、この物語を考えるうえでは重要なのかもしれない。

「過去」ではなく、「未来」に向かって、全ての「舞台少女が救われる」可能性があるのだとすれば。

その結末にたどり着くうえで、華恋やひかりだけでなく、ななもまた「重要な登場人物」なのかもしれない。

ということで今後も「少女☆歌劇レヴュースタァライト」を楽しませていただきたいなと思う次第である。

あぁ8話面白かった。